毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第7講「オコゼ」
10月2日(火)の毎日新聞(夕刊)に掲載された「美食地質学入門」。
今回のテーマは「オコゼ」。
▲香川沖でとれたオコゼ。
第三講の富山県に続いて、今回は「香川県高松市」でフィールドワーク。瀬戸大橋を渡り一行は香川へ。
毎回のテーマ食材は巽先生と大引先生が季節や地形から決めていますが、
「香川のオコゼ」は巽先生からの提案でした。
正直なところ、あまり香川にオコゼのイメージってない・・・ですよね?
大引先生も「そのイメージはあまりないですねぇ。だからこそ、とても楽しみ!」と言っていた今回の現地取材。
取材当日、朝からずっとあいにくの雨模様でしたが、屋島についたころには雨もあがり一安心。
まずは巽先生が屋島、庵治半島ができた隆起帯について説明してくれました。
突き出た半島、小豆島をはじめとしたさまざまな島々が浮かぶ瀬戸内海。この入り組んだ地形のおかげでオコゼが住みやすくなったわけです。
詳しくはぜひ本紙で。
庵治半島にはたくさんの採石場が。ここは、花崗岩「庵治石」の産地。
屋島の岩肌のサヌカイト。花崗岩の上を覆っています。
このあと庵治半島をぐるりと巡見した一行。
そこで見たのは、紙面で紹介されているぺったんこの山。高温のサラサラの溶岩になり、ひろがったためこの形になりました。
突き出た半島、砂、入江の泥。これらが揃うことでオコゼにとって住みやすい海へとなったわけですね。
続いて場所を移動。
今回の対談場所のお店「ぎょうてん」へ。
大将の行天陽一さん。生まれも育ちも香川県。幼いころから釣りでオコゼを獲っていたそう。
地元の食材にこだわった割烹料理のお店です。
お店に着くと、さっそく今日のフィールドワークで見た庵治半島と瀬戸内海について話す2人。
今回いただいた料理はオコゼの「薄造り」「酒蒸し」「から揚げ」。
オコゼは淡泊な魚。繊細な味をしっかりと味わえる3品。
薄造りを一口食べた大引先生。
「うまみがしっかりある。肝の良さを身が引きたてていますね。」
料理に合わせたお酒は、香川の蔵本・清酒金陵の「楠神」(くすかみ)。
今回は香川オコゼの新しい魅力発見と、瀬戸内海の成り立ちをしっかり復習できたフィールドワークでした。
ぜひ、第1講の「明石鯛」を読み返すとより分かりやすいですよ。
ということで、今回のブログはここまで。
次回のテーマは「グジ」。どうぞお楽しみに。