『落語食堂 らくしょく』開店!(32日目)
毎日新聞夕刊(関西版)12/2(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「除夜の雪」。
大晦日の夜、修行僧たちが和尚に隠れて丸干しを焼きながら世間話をしていると、
伏見屋の御寮人さんが借りたちょうちんを返しにやってきた。
が、雪が積もった境内には足跡もなく、実は・・・という怪談噺。
お噺に登場する丸干しを使ってお噺の世界観を表現したのは
日本料理の松島愛先生。
「本当にゾッとするお噺ですね。」と松島先生。
「雪の冷たさではなく、氷っぽいシーンとした冷たさと
景色が凍っていくような怖さをどう伝えられるかが大事なんです」と
吉坊さんが、このお噺の表現や間の取り方を説明してくれる。
無音のものや目に見えないものを表現するのは
非常に難しいそうです。
お噺は、修行僧たちが「隠せ、隠せ!」と言いながら
隠れて丸干しを焼く場面から始まる。
さて、どんな料理が出てくるのか。
「そんなに臭いを隠したいなら
"包んで隠せ、粉にして隠せ、裂いて隠せ" と思って
いろんなところに丸干しを隠し入れてみました。」と松島先生。
まず1品目、「白葱と油揚げの芥子酢味噌和え」
「これはピスタチオ??」と驚く吉坊さん。
まさか、日本料理でピスタチオが出てくるなんて!
「食感で入れてみました。」と松島先生。
そして、「奉書焼き ~めざし、ばちこ、たらこ味噌漬け~」
修行僧たちが和尚に隠れて丸干しを焼いていたイメージから
奉書紙に包まれて、料理が登場。
何が入っているのでしょう。
吉坊さんと一緒に覗いてみましょう。
「ん?」
「おぉ~!」
幽霊として現れた御寮人さんは
身分違いの婚姻で姑からいびられていたそうな。
「安価な丸干しと高級食材である干し子を同じ皿に盛ることで
身分違いを表現してみました。」と松島先生。
なるほど~!!
奉書焼きが盛られている器には
雪がうっすら積もっている演出も。
とてもシンプルな料理に見えますが、
干し子はなかなか食べる機会がないもの。
美味だったようで、たまらず、お酒のオーダーが入りました(笑)
こっそり盗撮です。
さて3品目は、「ひろうす 雪あん 小鍋仕立て」
こちらも雪をイメージして。
「あ!今、魚を感じた!」と吉坊さん。
料理の随所に散りばめられた丸干し探し。
精進料理のように見えた、
1品目の酢味噌和えには粉にした丸干しを、
そしてひろうすには、裂いた丸干しが潜んでいました。
「跡形もなく(足跡もなく)、全部食べ尽くしてください。」
さてさて、和尚に隠れてコソコソする修行僧たちの気持ちが
とてもよくわかるという吉坊さんと松島先生。
若かりし頃のイタズラ話の暴露大会に。
怖いお噺のあとに、本当によく笑いました。
大爆笑の内容は、ぜひ毎日新聞夕刊にて。
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