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『落語食堂 らくしょく』開店!(38日目)

新聞
落語食堂

2015.07.07

毎日新聞夕刊(関西版)7/7(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「千両みかん」。

ある呉服屋の若旦那が気の病を患い、
心にある願いが叶うと全快するといわれる。
みかんが食べたいという若旦那の願いを叶えるため、
番頭が奔走するのだが、登場人物の観念がちょっと面白いお噺。

「千両みかん」の世界観を料理で表現したのは、
日本料理の安場昌子先生。今回も初登場です!





これまでの竹本先生、村島先生はニューヨーク帰りでしたが、
安場先生は、なんと韓国帰り。
辻調グループの日本料理の先生は海外で大人気なんです。


さて、みかん尽くしの今回の料理はこちら





色々なところにみかんが潜んでいます。

取材の前に、後輩に稽古を付けてきたという吉坊さん、
少しテンション高めのまま登場です(笑)





まずは、みかんビールで乾杯。



(兵庫・伊丹産)


ちょっと警戒しながら一口。
「あぁ、なんとなくみかんっぽい」と吉坊さん。





さて、1品目は「夏野菜の南蛮漬け」





お噺の中で、気の病を患った若旦那の願いを叶えるため、
番頭さんがみかんを探しに行きます。

この「探す」というワードにちなんで、
この料理に使った野菜には安場先生のこだわりがあるのだそう。

・水なす>>安場先生が幼い頃、母親にお使いを頼まれて店で探した思い出
・みょうが>>土の中を探して収穫
・万願寺唐辛子>>収穫時期が難しいため"時期"を探す
・れんこん>>沼地を探して収穫


2品目は、「合鴨のみかんの燻製」
(別名:みかんを生む鳥)





お噺の季節は夏。みかんがなかなか見つからず、
「みかんを生む鳥はいないか~」と言いながら探し回るシーンがあります。

安場先生が目の前で合鴨の燻製を切り分け、




「まだ、み・か・ん せい(未完成)の料理なんです!」
と、冷凍みかんを振りかけ、





完成!





この一連の流れに、吉坊さんは「・・・・・」

「無感動ですみませんでした(笑)」

ダジャレが過ぎましたかね。


冷凍みかんを食べたことがないという吉坊さん。
「今、新幹線で"むかん"って売ってますよね。
食べやすそうなやつ」 なんて話しながら、
この料理のタネ明かしは続きます。

「卵の黄身に付けながら食べてください。」と安場先生に促されて、

「ん?これはただの黄身?」と首をかしげる。





「実は中にみかんを忍ばせています。
鴨もみかんの香りがうっすらつくように燻製にして、
みかん塩も添えています。」





まさに、みかん尽くし!
鴨と柑橘系は相性がよいようで。

巣に見立てた卵とねぎもいいですね。





そして、3品目は「小夏のゼリー寄せ」





きれいな色ですね!
最後はやっとみかんに辿り着きました。

「皮も食べられますよ」という安場先生の言葉に、即かぶりつく。





「蓋だけで、3両5分くらいありますね」と吉坊さん。
本当に贅沢なみかんです。


落語のオチがうまく理解できなかったと言いながら
お噺の番頭のごとく、みかんを持って出て行こうとする安場先生に、

「僕がドロンしますわ。」と苦笑する吉坊さん。

本日もありがとうございました。


本日のレシピはこちら