『落語食堂 らくしょく』開店!(44日目)
毎日新聞夕刊(関西版)2/2(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「米揚げ笊(いかき)」。
笊屋の仕事を紹介してもらった男が、
験のいい言葉を連発しながら売り歩き大層喜ばれるというお噺。
今回、お噺の世界観を料理で表現したのは、
日本料理の村島弘樹先生。
村島先生の調査により、「笊採り」という製法のお酒が
あるそうなんですが、今回は手に入らず。。。
代わりに同じ蔵のお酒で乾杯。
今回のお噺のタイトルを見て
「前回米を使ったので、今回の料理は困りました・・・笑」と村島先生。
さて、どんな料理が出てくるのでしょう?
では、1品目「くみ上げ笊豆腐」
少し緑がかったメロンパンのような豆腐が登場。
写真ではうぐいす色の淡い緑色がちょっとわかりにくいですね。
「くみあげ豆腐」は「米あげ笊」にかけて。
お噺の中では男が、「大間目(おおまめ)~ 中間目(ちゅうまめ)~」
と叫びながら笊を売り歩く。
大間目(おおまめ)→大豆(おおまめ)→豆腐
という変換で青大豆を使ったくみ上げ豆腐が誕生しました。
さすが村島先生、冴えていますね。
「めっちゃしっかりしてる!
豆腐やと思ってナメてたらあかん。」と
吉坊さんが美味しそうにほお張ります。
薬味は、いくら、ねぎ、柚子の皮、わさびをお好みで。
くみ上げ豆腐とは、固める過程で出てくる水分を
無理に絞り出さない製法でつくるもので、
本日も作りたての豆腐が出てきました。
続いて2品目は、「米揚げの七宝あんかけ(おこげ)」
「米揚げのあんかけはストレートすぎると思って
悩んだんですが、結局これにしました。」
でも村島先生、そこにひと工夫。
お噺の中で、験を担ぐ言葉がやたらと喜ばれることから
縁起のよい7種の食材を使った七宝あんかけを作ってくれました。
鯛、海老、勝栗、蓮根、牛蒡、大根、金時人参
では、せっかくですので、
あんかけシーンを音でお楽しみください。
香りが伝わらないのが本当に残念です。
美味しい香りとぐつぐつがたまりませんね。
写真撮影の時は、あまりに香ばしい香りがするので
堪らず、近くにいた先生たちが続々と覗きにきていました。
吉坊さんからは「うんまーいっ!!」と、
最高の笑顔をいただきました。
「昔は道具を作る人も使う人も、
用途に合わせて大中小を使い分けていた。
大間目、中間目、小間目、米揚げ笊・・
今ではそれが大ざっぱに作られるようになって
世知辛い思いがする」と吉坊さん。
手間を厭い、何でも便利になると、
大切な何かが失われていっているのかもしれませんね。
吉坊さんの言葉が妙に忘れられませんでした。
次回もお楽しみに!
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