和食WEBマガジンWA・TO・BI 日本料理のことば「治部煮(じぶに)」
『あまから手帖』による料理人のための和食専用ウェブマガジン「WA・TO・BI」では、最新の調理技術、大切にされてきた古い仕事、生産者による食材紹介、日本の酒のこと、うつわの知識、雑学など、日本料理にまつわる旬の話題が日々更新されています。
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辻調はそのなかで、「日本料理のことば」を担当し、月に1度「へぇ~」と思える語源由来を紹介しています。
2022年12月のテーマは「治部煮(じぶに)」。主に鴨などの鳥類を麩や野菜と一緒に甘辛く煮て、仕上げにワサビを添えた煮物です。特徴は、粉類(主に小麦粉)をまぶしつけて煮ること。この風変わりな名前は、どうやら煮る音に由来するとか...? 今回は治部煮の名前と、調理法の発祥に関する諸説を紹介しました。
(撮影:東谷幸一さん)
治部煮は加賀の伝統的な料理。特に寒い時期になると、好んで食べられます。
基本的には鴨肉を用いて小麦粉を打って煮て、すだれ麩とわさびが添えてあるのがお約束。
料理制作担当は、前回に続き、辻調理師専門学校の濱本良司先生です。
小麦粉を使うと、どっしり重ための食べ応えに。
煮る音が「ジブジブ」聞こえてくるでしょうか... どうやら合鴨にまぶした小麦粉だけでは難しそう笑。
鴨を盛りつけた後、煮汁だけに改めて小麦粉を加えて、とろみをしっかりつけて仕上げました。
助手は同じく日本料理班から、宮本薫先生の登場です。
笑顔がステキなのでもう一枚!笑
治部煮は、江戸時代初期の文献に「煮る音・様子」が名の由来と書かれています。しかし「粉を使う」という最大の特徴が見当たりません。深まるジブの謎。ぜひコラムを読んでいただければと思います。
ツヤツヤの煮汁をたっぷりと。
冬の食材をたくさん取り合わせてください! 体がポカポカ温まりますよ!
治部煮【じぶに】─レシピ付き
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