和食WEBマガジンWA・TO・BI 日本料理のことば「土佐」
『あまから手帖』による料理人のための和食専用ウェブマガジン「WA・TO・BI」では、最新の調理技術、大切にされてきた古い仕事、生産者による食材紹介、日本の酒のこと、うつわの知識、雑学など、日本料理にまつわる旬の話題が日々更新されています。
●WA・TO・BI
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辻調はそのなかで、「日本料理のことば」を担当し、月に1度「へぇ~」と思える語源由来を紹介しています。
2024年4月のテーマは「土佐」。
鰹節の風味をきかせた料理の名に、「土佐」を冠することがあります。土佐は、日本の旧国名のひとつ。現在の高知県にあたり、良質な鰹節の産地として古くから名を馳せたためです。しかし、鰹節を産するのは土佐だけではありません。太平洋側には多くの産地があり、それぞれ歴史を持ち、日本の食文化を支えてきました。では、その中でもなぜ、土佐の名が用いられるのでしょうか。今回のコラムは、土佐がなぜ鰹節の代名詞になったかをご紹介しています。
●ことばのコラムへのリンク● 日本料理のことば ―土佐
https://www.watobi.jp/word/5802.html(無料記事)
料理写真(上)撮影:東谷幸一さん
「土佐」が詰まった料理、というリクエストに対する答えがこちら。
鰹節の風味をきかせた筍土佐煮に、めばる炙り、油霜にした車海老、生の若芽、空豆、独活を盛り合わせ、土佐酢ジュレをかけて仕上げました。
料理制作を担当したのは、濱本良司先生(辻調理師専門学校)です。
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編集者さんからの質問に答えながら、作業をサクサク進める濱本先生
先生からの提案で、今回は鰹節を準備するところから撮影開始。
きれいに処理をして、鰹節削り器にかけると、辺り一面に花鰹の良い香りが広がります。
削りたては薫香と風味が鮮やか!
春の食材として、この料理にはぜひとも筍とめばるを使いたかったとのこと。でもめばるには少しコツが要る。
ということで、役に立つポイントも紹介しています。
助手をつとめたのは、竹下紘叶先生です。
撮影で使用した教室は、実は学生さんが年間の授業を終えた後に、竹下先生たちがピカピカに磨き上げたそう。
学生が見ていないところでも、先生方は準備を怠らないんですね。
やわらかい土佐酢ジュレをかけると、全体がキラキラした仕上がりに!
ちなみに、こちらの器、かっこいいですよね。九谷です。
派手なのであまり使わないそうですが、濱本先生は今回の料理を思いついたときから、この器がパッと浮かんだそう。
「器は料理の着物」という言葉もあるほど、料理と器がしっくりきたときには楽しさがありますね。
春を感じる「土佐」のつく料理をぜひ楽しんでください。