西川 | 「ニニョンの代表的な材料をと思ってこの一品を選んだわけですが、作ったのは今日が全く初めて。作る前からある程度、想像はしていたんですが、作っている内に“これは絶対旨くなるぞ、これは凄い”って、上昇気分で作っていける料理でしたね」 |
水野 | 「子牛の腎臓とリ・ド・ヴォをマデールというお酒を使って仕上げれば、必ずといっていいほど素材が活きておいしくなりますよね。そこへ日本人の松茸的なセープを入れるんだからなおさら。セープの場合は、火を入れた時の旨さが最高ですからね」 |
西川 | 「ええ、味がぐんと引き立ちます」 |
水野 | 「セープを炒めて、これくらいの色を付けるとフレーバーが活きてくる。これで茸はいい状態まで火を入れられた。次のエシャロットと茸はベストカップル。これでまた更に旨くなるぞって、きっとそんな感じで作っていたんでしょうね」 |
西川 | 「材料を順番に加えていって、一回ずつ確信しながらひとつの鍋で仕上げるわけでしょ。作っている料理人はそりゃあ気分がいいですよ(笑)」 |
水野 | 「素材をよく知っていないと、こうはならないですよね。料理っていうのは、ひとつひとつの素材をどうすれば活かしきれるかっていうことを、しっかりと把握しておかないといけない。そういう計算が自分の思うようにハマリこんできてこそ、面白くなるものだからね」 |
西川 | 「クラシックな料理だと言っても、基本として知っておかないといけない料理。ニニョンやエスコフィエの時代で、フランス料理が随分洗練されてきましたしね」 |
水野 | 「そういえば、パルメザンチーズをふるっていうのも、今ではあまり見かけませんね」 |
西川 | 「普通はソースをかけた段階で出しますからね。今は亡き、懐かしのテクニックといったところですか?(笑)。でもそうは言っても、今でも充分、通用するような料理ですよね」 |
水野 | 「素晴らしいですよ」 |