REPORT

代表 辻芳樹 WEBマガジン

第4回辻静雄食文化賞贈賞式

講演・シンポジウム・イベント

2013.06.10

辻静雄食文化賞は、今年で4回目を迎えることができました。選考にあたっては、選考委員長の石毛直道先生をはじめ最終選考委員、中間選考委員の皆様に大変、お世話になりました。
回を重ねるごとに、日本の食文化を牽引している方々に賞を差し上げることの重大さ、その責務の重さをひしひしと感じ、身の引き締まる思いです。

bookfair.jpgまた本年度は、辻調グループの創設者である辻静雄の生誕80周年にあたるということで、代官山蔦屋書店において一ヶ月間、辻静雄食文化賞のブックフェアを開催していただきました。辻静雄は、「本」というものがもっているチカラを信じていたと思います。自らの歴史研究において文献として残された書籍はなくてはならないものでした。そして、辻静雄自身、自らの研究の成果を多くの著作を残してくれました。インターネット時代だからこそ、社会において本屋、書店の果たすべき役割は何かを、まさに体現している代官山蔦屋書店で、辻静雄生誕80周年のイベントの一環として辻静雄食文化賞贈賞式が開催できたことを本当に感謝します。
関係者の皆さま、ありがとうございました。


第4回の受賞者は、すでに発表の通りNHK「きょうの料理」の制作チームの皆様、そして専門技術者賞は成澤由浩さんが受賞されました。おめでとうございます。

NHK「きょうの料理」の番組とテキストは、日本の家庭料理を支え導いて来たこの番組が、21世紀の今日においても輝きを失わずに、一流の料理研究家の皆さんや、最先端の料理人さんたちを出演させながら、外食だけに頼らずに、自分の手で料理を作ることの楽しさを伝え続けていらっしゃることに心から敬意を表します。

そして、今年2回目になる専門技術者賞を受賞されたレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフ成澤さんは、辻調理師専門学校を卒業後、同校のフランス校に留学されました。当時のその時の職員曰く、「10年に一人の逸材」だったそうです。
その後、伝統的なフランス料理を独自のものに洗練し、とくにこの7、8年の間にフランス料理の枠組みから出て、ご自身の哲学とビジョンを表現するような料理の新境地を拓かれました。自然との対話、レストランにおけるサステナビリティーの追求など、その活動は、世界でもすでに評価されているものです。

今回の二組の受賞作の、時代を牽引し、新しい可能性を追い求め、探求される姿勢は、まさに辻静雄食文化賞に値するものだと思います。

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