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代表 辻芳樹 WEBマガジン

「The Japan Times Destination Restaurants 2024」選考

講演・シンポジウム・イベント

2024.05.30

辻芳樹校長が審査・選考を務める「The Japan Times Destination Restaurants 2024」が発表されました。
https://authentic-japan-selection.japantimes.com/jp/

敢えて、東京23区と政令都市を対象から外し、"日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストランリスト"として選んだ10店舗の中から、北海道の『ELEZO ESPRIT』が「Destination Restaurant of the Year 2024」に選定されました。

『ELEZO ESPRIT』(エレゾ エスプリ)

https://authentic-japan-selection.japantimes.com/jp/restaurant/2024-01/

審査員:辻芳樹校長のコメント
「Destination Restaurants Award」というのは、料理人だけを称えるものではなく、地域に根ざしたシェフたちを表彰すると同時に、その地域特有の美食を称えるものだ。そして、インバウンドで訪れる世界の人々に、日本の奥深い食文化を知ってもらうためのリストでもある。単に地産地消やサステナブルを掲げるだけでは、ゲストにとってその地域の特異性は見出せない。いつの時代にもおいしさの表現、価値観は変化し続けており、その時代時代の環境、政治、芸術、美観が反映されている。そして、普遍的なおいしさが存在し、そこには調和がとれた食材の組み合わせ、温度、技法を使って、不協和音を感じさせない"味覚の和音"を作る技術が問われるのだが、今ではその価値観すら時代の変化とともに変容し続けている。そのようななかで、今までにこの賞を受賞した40店は、高い水準で基準をクリアしてきた。これらのシェフは地域の文化を象徴し支える存在として、失われた要素を復活させる重要な役割も果たしている。一方で、農業、水産、加工、レストラン、宿泊施設が一体となって機能するフランスとは違い、日本の料理人は、ある意味でゼロからシステムを築く必要がある。宿泊施設や行政の支援が乏しいなか、彼らは地方の文化や経済を再生する大きな責任を担っている。この賞を通じて、彼らの努力を称賛し、日本の地方を支援できることを願っている。