フランス料理と批評の歴史
フランス革命下、近代的なレストランとともに形成された料理批評の系譜を辿り、フランス料理の進化に寄与した功績を、ガストロノミー200年の歴史の中で検証したものです。
フランス料理の歴史を作り手である料理人の技術の進化の視点からたどった書物や、食べ手の側に立って食生活やレストランの変遷を社会学的に検証した著作はすでにありますが、ペンを片手に食を多角的、分析的に考察し、表現することでフランスの美食文化(ガストロノミー)の発展に寄与した人たちを中心に据えた歴史はあまりありません。本書では、いずれも個性的なガストロノームたちを主人公に、文化としてのガストロノミーの進化の跡をたどるとともに、ミシュランの登場で日本人にとっても身近になったレストランの評価、批評についても考えてみました。
目次
第1章 ガストロノミーの時代の幕開け
第2章 巨星カレームの時代
第3章 食ジャーナリズムとガストロノミー批評の夜明け-グリモ・ド・ラ・レニエール
第4章 ガストロノミー確立への道-ブリヤ=サヴァラン
第5章 自動車時代のガストロノミーと地方の発見-キュルノンスキー
第6章 レストランの評価基準の確立-ミシュランガイド
第7章 批評が切り開く料理の新時代-ゴーミヨーガイド
第8章 新しい料理とガストロノミーを求めて