授業に潜入!専門製菓演習 ~杉本都香咲シェフのスペシャリテ~
こんにちは!
今日は先日行われた専門製菓演習の授業の様子をお届けします!
専門製菓演習とは、お店を経営されているシェフなどの実務経験のある教員が担当し、
季節や催事に合わせた菓子の考え方、作業の効率化の仕方などについて学ぶ授業です。
就職後に必要な視点、考え方、心構えなどを、
製菓・パン製造・販売に関する知識やスキルとともに習得するのを目的としています。
今回はメ・ザンファン・カプリシューの杉本都香咲シェフに登壇していただきました!
今回の講習のテーマは「シェフのスペシャリテ」です。
杉本シェフにはスペシャリテの「タルト・マロン・カシス」を作っていただきました。
また授業後半では、学生自身が考えたお菓子について評価をしていただき、
それをもとにブラッシュアップするという授業内容になっています。
ところで皆さん、スペシャリテって何だかわかりますか?
スペシャリテとは、シェフが自慢するほど得意とする料理、菓子のことで、
おすすめ料理という意味があるフランス語です。
老舗レストランなどでは受け継がれてきた伝統の味などがスペシャリテとされていることもあるそうで、
その店の顔となる料理、菓子のことを示します。
杉本シェフはかつてフランスで働かれていた頃、
パリのパティスリーでマロンとカシスのお菓子に出会い大変感銘を受けたのこと。
その味をより自分の理想の味に近づけるため試行錯誤し、このレシピにたどり着いたそうです。
それでは、講習の模様を見てみましょう。
まずはタルトの土台から作っていきます。
タルト生地を敷きこんだ型にアーモンドクリームを絞って、栗のシロップ煮とカシスの実を乗せて焼きます。
色よく焼きあがればオーブンから取り出し、熱いうちにカシスのリキュールを塗ります。
熱いうちに塗ることによって、アルコール分はとぶけど、カシスの香りは残るそうです。
このタルトの土台だけでも美味しそうですね♪
冷めた土台に栗のペーストとバター、カシスピューレ、泡立てた生クリームを合わせたクリームを絞っていきます。
サントノーレという口金を使って、丸みを帯びた放射線状にクリームを絞ります。
シェフは簡単そうに絞っていますが、実際、これがなかなか難しいのです。
「絞り終わりは力を抜いて、徐々に細くするのがコツよ!」
杉本シェフは、ポイントを押さえて分かりやすく解説してくださいます。
さらに、飾りで使用するホワイトチョコレートの花を作ります。
テンパリング(温度調節)したチョコレートを大理石の上に薄く広げ、
固まりかけのタイミングで抜型を使って丸く花びらを作るように削ります。
その花びらを小さいものから順に重ねていくとチョコレートの花の完成です。
そして、飾りつけをして完成したものがこちら!
通常通りの仕上げ、クリスマスバージョン、
お花を乗せたオーダーケーキバージョンの3種類の仕上げをしていただきました。
完成品の豪華さに、学生のみんなはびっくり!
「やばい!!すごい!!」
「めちゃくちゃ可愛い!!」
テンション高めの歓声が上がっていました。
そして写真撮影と試食を終えたのち、学生自身で考えたお菓子についての評価がありました。
「素材の組み合わせのアイデアはとてもいい。学生なのによくこんな素材知っているなと感心しました。
ただ、お菓子として作っていくうえで現実的に難しそうなものもいくつか見られました。
素材の食感が被っていないか、生地とクリームの組み合わせによって食感が失われないか...」などなど。
この評価を受けて、どうしたらいいか、みんなで意見を言い合います。
杉本シェフにはお菓子について悩んでいる学生にアドバイスをしていただきました。
お菓子の講習と自分の考えたお菓子のブラッシュアップと、盛りだくさんの授業でした!
今回の授業で考えたお菓子が、いつか学生自身のスペシャリテになるといいですね。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 東京 製菓担当
岡部由香
食べることと作ること、両方大好きです。
特にバニラが好きで、タヒチの農園にまで行きました!
今後の目標は、バニラの本場マダガスカルに行くこと。
それと、くいしんぼうラボでバニラを栽培すること!