【おやつ!おかし!和菓子!】黄味しぐれ
<【おやつ!おかし!和菓子!】ってどんなコラム?>
●黄味しぐれ●
上元:わっ!齊藤先生!急に雨が降ってきました。
齊藤:傘持ってきてないのに......。
上元:帰るころには大丈夫じゃないですか。通り雨みたいですし。
齊藤:だといいんだけど。そんな時期なんだね。
上元:夏も終わって秋が進むと、増えてきますよね。通り雨。
齊藤:秋の終わりから冬の初めにかけて、急にぱらぱらと降る雨のこと「時雨(しぐれ)」っていうんだよね。
上元:あっ。季節を先取りしてまでその話題!お菓子の紹介がしたいからですね?先生!
齊藤:バレたか......(笑)。
上元:ホロホロと崩れるような食感の。
齊藤:その食感が時雨を思わせるような。見た目にも表面が割れていて、その模様が稲妻を表してて......。
上元:通り雨の前には雷が鳴りますし。
齊藤:表面が割れて成功のお菓子!
上元:「黄味しぐれ」ですね。
齊藤:正解!
上元:このお菓子に使う生地は「時雨生地」といって、和菓子作りではよく使いますよね。
齊藤:そうそう。餡に米の粉なんかを加えて作る生地を、そんなふうにいったりするね。
上元:ホロホロと崩れるような食感を出すためには、餡の炊き方がポイント!
齊藤:餡は水分を少なく、かたく炊き上げますが、その方が食感がいいんです。餡に水分がたくさん残っていると、少しべたついた食感になってしまいますよ。
上元:でも、かたく炊き上げる餡は、焦げつきやすいので、作るときは、注意してくださいね。
齊藤:生地で餡を包み、蒸して仕上げます。蒸すことで、お菓子が全体にゆっくり膨らんで、表面が割れてきます。しっとりとしている生地なので、ホロホロと崩れる食感に仕上がります。
上元:蒸し器の代わりに電子レンジは使えないの?と考えてしまいそうですが、電子レンジでは、中心から急に火が通るので、ふくらみが悪く、しっとりと仕上がりません。
齊藤:さつまいもや南瓜などをやわらかくしたいとき、電子レンジはすごく便利だけど、このお菓子には少し使いにくいですね。
上元:蒸してる時間は、どんな風に亀裂が入るのか、楽しみな時間ですよ。
齊藤:雨が上がるの待ちながら、さっそく作りましょう!