【半歩プロの西洋料理】ふるさと再発見。
だんだん気温も湿度も上がり、じめじめとした気候になってきました。
先日四国の田舎に帰ると少しだけ涼しく感じたのは緑の多さからでしょうか。
この時期に帰ると必ずと行って良いほど、四万十川に鮎を釣りに行きます。
6月初旬に解禁になった鮎は、凄く香りも良く絶品です。
美食漫画『美味しんぼ』で、食通の京極さんが快気祝いに鮎が食べたいと言うシーンがあります。
そこで山岡士郎が「うまい鮎を食わせてあげますよ」と言うと、傍らで聞いていた海原雄山が
「こいつにうまい鮎なんぞ食わせられるわけがない」とからんできます。
鮎対決の始まりです。
まず、山岡士郎が用意した日本一と言われるほど有名な保津川の鮎を食べます。
京極さんは「こんなうまい鮎は食べたことないわ」と絶賛するも、次に出された雄山の鮎を食べると・・・。
周りの人達が「こりゃ甲乙つけがたいな」と言うなか、京極さんを見ると
「なんちゅうもんを食わせてくれたんや・・・」
「これに比べると山岡さんの鮎はカスや」
と、号泣しているではありませんか。
山岡士郎が用意した鮎は保津川、日本でも最高のものですが、雄山が用意した鮎は四万十川の鮎。
四万十川の鮎は京極さんのふるさとの味だったのです。
ふるさとの味は日本一と言われる味にも勝るのだなあと思うと同時に、
「今まで普通に食べてたから気にしたことなかったけど、四万十川の鮎ってそんなに旨いんか?」と
気になったのが、四万十川へ鮎釣りに行くようになったキッカケでした。
「ふるさとの味」と言っても、皆さんは自分の故郷の名産をいくつ言えるでしょうか。
昔からある名産品だけでなく、新しく地元に根づいたものもあります。
最近耳にするようになってきた、私のふるさと 愛媛の食材をひとつピックアップします。
それが、『媛っこ地鶏』。
その名の通り、愛媛の美味しい地鶏です。
さまざまな地鶏が各地にありますが、愛媛の『媛っこ地鶏』は、野性味あふれた肉質のほかの地鶏たちとは少し違います。
地鶏でありながら、四元交配という手間のかかる掛け合わせ(4種類の鶏の掛け合わせ)で、
高品質な伊予路しゃもから誕生したのが『媛っこ地鶏』です。
脂がのって、適度な噛みごたえと肉自体の旨味、4種の鶏の良いところを凝縮した、いわゆる...
『いいとこどり(鶏)』です(笑)。
このような、各地方で力を入れているそんな名産品は、住んでいながら意外と知らないものです。
その土地を離れてから、評判を聞き、あらためて地元を見直す、なんてこともあります。
あらためて、ふるさとの味を探してみると、新しい発見があるかもしれませんね。
今回は、鮎と地鶏を使った、家庭でできるフランスの家庭料理『リエット』をご紹介します。
ふるさとの食材で、新しい味を考えてみました。
バケットに塗って、おつまみなどにも使えますよ。
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