【好吃(ハオチー)!中国料理】医食同源 身体に優しく、美味しい炒飯はいかがですか
じめじめした嫌な季節がやってきましたが、みなさん如何お過ごしでしょうか?さて今年の好吃(ハオチー)!中国料理!のテーマは「健康と中国料理」です。その第1回目を担当させていただく事になりました。中国料理といえば「医食同源」という言葉は有名ですよね。薬膳という言葉も聞いた事ありますでしょうか?中国では古くから病気になってから治療するのではなく、普段の食事を配慮して病気にならない様にする方が重要であるという思想が貫かれています。
中国料理のデザートの中で有名なものに、杏仁豆腐があります。これはまさに中国料理の医食同源そのものです。
最近はコンビニやスーパーなどにもよく売っており、かなりお馴染みのスイーツになってきました。その杏仁豆腐の"杏仁"とは何かご存知ですか?杏仁とはアンズの仁(じん)の事です。アンズの種を割り、その中にある仁です。私は昔、梅干しを食べると必ず種を歯で噛み割り、その中の仁を出して食べていました。そんな経験のある方はいらっしゃいますでしょうか?もし経験があるのならそれのアンズバージョンが、まさに杏仁です。杏仁は漢方薬としても良く使われ、北杏(ペイシン)と南杏(ナンシン)と2種類あります。
杏仁
北杏の特徴としては苦味があり、漢方として使われる事が多いです。一方南杏は北杏よりも甘みが強く、杏仁豆腐を作る時は南杏のみを使用したり、北杏と南杏をブレンドして作る事が多いです。効能は冷え性の緩和や去痰、鎮咳、便秘の緩和などがあると言われています。その杏仁を一晩水に漬けて、その水ごとミキサーにかけ、さらしなどで漉した白い液体をベースに砂糖や乳製品を混ぜ、ゼラチンや寒天などで固めると杏仁豆腐の完成です。お店によっては、乳製品の量を調節したりして濃厚でコクのある杏仁豆腐にしたり、あっさりした味にしたり、とろけるような柔らかさのものを作ったり、バットなどに流し固めてひし形に切り、フルーツと一緒にシロップに浮かせた懐かしい感じのものなど色々工夫された杏仁豆腐がたくさんあります。ただ、杏仁を使うとなるとやはり、手間も原価もかかってしまうので、杏仁霜(杏仁パウダー)のようなものを使ったり、エッセンスで代用している店も少なくないです。長々と杏仁豆腐の話をしてしまいましたが、話を元に戻して今回のテーマをもう一度思い出してみましょう!そう、健康と中国料理です。健康という言葉を調べてみると、
・心身が健やかな状態である事
・身体と精神面と両面の条件が充分に満たされている事 となっています。
では、健康な食事とはどういったイメージをお持ちでしょうか?もしかしたら、味が薄い、物足りない感じ、油を使わない、などマイナスなイメージをもたれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?でもそういう食事をしても心身が健やか、とか、満たされるって事にはならないですよね。おいしく食べて、健康的という事が大切だと思います。また何でも拒否せずに色んなものを食べてみる事も重要なのではないでしょうか。バランス良く食べなさいと言いますが、色んな種類を少しずつ食べていれば確実にバランスの良い食事はできますよね。(と偉そうに言っていますが、私自身ももちろん偏っている日は大いにありますが・・・)
中国料理には薬膳に基づいたたくさんの香辛料や、何時間も蒸して仕上げる薬膳スープなど色々あるのですが、私はぜひみなさんが家でやってみようと思えるものを紹介していきたいと思っています。という事で、一体何にしようか考えたのですが・・・私は玄米が大好きなのです。家でも玄米をまとめて炊いて小分けにして冷凍しています。玄米や雑穀米などは噛めば噛むほどに甘みが出てくるような感じで、お米だけ味わっても十分においしく食べられる所が大好きです。基本的に米は土鍋で炊いていたのですが、玄米だけは炊飯器の玄米モードには負けます。炊飯器ってすごいですよね。圧力がかかるのでふっくらおいしく、柔らかく炊けます。雑穀を半分量ぐらい混ぜて食べるのにはまっている時期もありました。でも玄米は好き嫌いがすごく分かれるんですよね。私の友達にも玄米が好きで食べている子がいますが、特に男の人は嫌う人が多いような気がします。雑穀米なども嫌がる人もいますよね。
また話は反れますが、私の家には精米機があります。その精米機には胚芽米、3分つき、5分つき、7分つきコースがあります。3分つき米というのは玄米の表面のみ少し削ったという感じで、7分つき米はかなり白米に近いですが少し周りの糠の部分が残ったものです。3分つき米でも浸水さえ少し長めにすれば白米と同じように炊いても問題ないですし、クセもほとんどなく、玄米に抵抗のある人でもおいしく召し上がる事ができますよ!!おすすめです。
という事で今回は玄米を使います。玄米を使って炒飯を作りたいと思います。さらにこれから旬を迎える、枝豆、とうもろこし、冬瓜をたっぷり使い、そこに鶏ささ身と豚モモ肉でとったコクのある美味しいスープ(清湯、チンタン)をかけた、スープ炒飯を紹介したいと思います。清湯の作り方はこちらを参照下さい。清湯
玄米嫌いの人でもおいしく食べられる炒飯です。ぜひ作ってみて下さい。
今回使う材料の代表的な効能です。
(左)玄米、(右)冬瓜
玄米 ビタミンや日本人に不足しがちなミネラルが豊富で、食物繊維は白米の約6倍です。
冬瓜 瓜なので夏が旬ですが、冬までもつ、という事で冬瓜という名前なのです。解毒や利尿作用もあります。
枝豆 枝豆とは大豆の未成熟のものです。畑の肉といわれている大豆同様良質のタンパク質がたくさん含まれています。さらに大豆にはないビタミンCも含まれています。
生姜 最近流行っている生姜!身体を温め、冷え性などの改善や免疫力を高める効果があり。胃腸にも良いです。
白葱 血栓の予防、疲労回復などの効果があります。火を通しすぎずに食べた方が効果が高いので、今回は最後に加えてさっと炒めるだけにします。
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