【半歩プロの西洋料理】レストランの花形!? ゲリドンサーヴィス!!
街角では、クリスマスの音楽が聞こえ始めて久しく、また年末って感じになりましたね~~。
そんな雰囲気の中、今回は技術研究所の伊藤君に
『レストランの演出』という"お題"で、コラムをお願いしてみたいと思います!
早速ですが!
ど~ぞ~!
辻調理技術研究所のティーチング・アシスタント(TA)の伊藤健人です。
主に講習の補助や助手、学生指導のサポートをしています!よろしくお願いします!!!
今回は、レストランの表舞台を支える"サーヴィス"についてお話ししたいと思います!!!
技術研究所では、料理やお菓子の他にサーヴィスの授業があります。
良いレストランは良い料理人だけではできません。何よりお客様に来て頂かないといけません。
その大切なお客様に接する事が出来るのが僕の目指す職業、サーヴィスマンです!
出来上がった料理をお客様に届けて、喜んで頂いている様子を一番近いところで見られるのも
サーヴィスマン!!
清潔な服装で、空調の効いた所で仕事できるのも
サーヴィスマン!!!
このやりがいのあるサーヴィスという職業を知って頂きたい!!!!!!!!
と、少しヒートアップしてしまいましたが。。。。笑
サーヴィス(フランス語ではServiceセルヴィス、イタリア語ではCameriereカメリエーレ)は、単に料理を運んだりするだけではなく、お客様がレストランに到着してからお帰りになるまでの間、最高の時間を過ごして頂くためのお手伝いをする職業です。
僕はサーヴィスの授業を通じて、お客様の食事のペースや会話の内容、盛り上がり具合を感じたり、見たりしながら お客様に合わせてレストランの時間を『演出』出来る、この仕事に惹かれていきました。
料理の知識はもちろん、お客様との会話やしぐさ、言葉からヒントを得て、今何を望んでいて、 どのようにすればお客様に喜んでいただけるか、またお店に来て頂けるか考え、 お客様の心を読む・・本当に難しい、でもやりがいのある仕事だと思います。
そのサーヴィスの仕事の一つに、お客様の目の前で料理を仕上げる、というものがあります。
テーブルの横にサイドテーブルを置いて、そこで料理を切り分けたり、炎の演出をしたりして、場を盛り上げるサーヴィス方法で、ロシア式サーヴィスやゲリドンサーヴィスと呼びます(ゲリドンはフランス語で小さいテーブルのことです)。
このゲリドンサーヴィスの第一歩が"フルーツカッティング"です。
調理場とは違い、食材を直に触ることはできませんし、もちろん演出(パフォーマンス)もしないといけませんので。。。。。。。。。
慣れるまでは大変です。。。
このサーヴィスを行うには、たくさんの練習量と熟練した技術、度胸が必要です。
今回は猛練習の成果をここでお見せします!!!
《Point!》
・お客様に提供するので手早く、キレイに!
・お客様の前なので表情や姿勢も美しく!!
・丸い果物は丸く剥く!
・剥いた皮のほうに果肉を残しすぎない!
まずは第16回メートル・ド・セルヴィス杯の課題にもなったオレンジのカッティングです。
※~メートル・ド・セルヴィス杯とは~
2年に1度行われる日本最高峰のサーヴィスコンクール。
第15回よりプロ部門とともに学生部門も開催。
【オレンジのカッティング】
オレンジのカッティングではスピードに加えてキレイに房から切り離せる正確さが求められます。
①ヘタの少し下あたりの皮に一周切り込みを入れます。反対側を切り落とし、切り落とした皮をフォークでヘタにつき刺します。
②そして、白い皮を残さないように皮を剥いていきます
③さらに、房の薄皮にそってナイフを入れ、果肉を1つずつはずしていきます。
④取り出した果実(カルティエ)はお皿に盛りつけていきます
⑤最後はキレイに並べて、ミントを飾って完成です!
この様に、1個100円のオレンジでも丁寧にカットする事で500円、1000円の価値の商品になります。
風味をプラスする為にアルコールも一緒におススメすれば1500円、2000円...と、どんどん価値を付けていくことができます。
他にも...
【グレープフルーツ】
カットの方法はオレンジとほぼ同じです。
オレンジと交互に組み合わせて盛り付けるとCoupe Floridaクープ・フロリダというデザートになります。
【キウィ】
キウィは皮が薄くて果肉が柔らかいのでていねいに!
オレンジと同じように皮をむいていきます。
【パイナップル】
パイナップルは強敵です!笑
まず、周りの皮を切り落とします。
茶色い芽の部分をらせん状にむいていきます。
真ん中の芯を抜き、輪切りにすれば完成です!
今年の夏休みには技研生たちがコンクールに向けてオレンジを何個も買い込んできて練習していました。
みんなどんどん上達していくので、「負けたくない!」と思って私も実はこっそり練習していました。。。。笑
先生方にちゃんと、指導を受けていました・・・・!
今回はゲリドンサーヴィスの一つとして、食材に直接手を触れずに切り分けるフルーツカッティングのサーヴィスをご紹介しました。
お客様の目の前で、食材を切り分けたり、炎を上げるなど、特別感のある演出の一つです。
レストランでは料理人にスポットがあたりがちですが、実際にお客様と接するサーヴィスマン。
お客様が「今日ここのレストランに来てよかった!!」「良い時間が過ごせたよ!」って、思っていただける演出が出来る職業。
多くの人にこのコラムを読んで頂き、サーヴィスマンという職業を知って頂ければと思います!!!
ありがとうございました!
来年はサーヴィスマンとしてレストランで活躍予定の伊藤君!ご苦労様でした~~!
サーヴィスも調理も毎日継続することが大切ですよね。
技研で学んだ事すべてを携えて、自信を持ってチャレンジ!
In bocca al lupo! 応援してます! BY イタリアのおっさんでした。