【菓子まし娘のお菓子講座】ミルリトン
菓子まし娘の ミルリトン よもやま話
*作り方の方程式*
さくさくパイ生地+生クリーム入りアーモンドクリーム=ミルリトン
美貴(以下Mi):あーさむい、さむい!今日はお休みだけど寒いから、お家でお菓子でも作ろうかなー。よし!ミルリトン作ろう!材料少ないし、この前使ったパイシートとアーモンドパウダーの残りが、冷凍庫にあったはず。ミルリトンって初めて作るんですけど......ミルリトンについてあんまり何も知らないんですよね。。。夕子先輩、ミルリトンの事教えてください!
夕子(以下Y):はいはい!では、まず名前の説明から・・・ミルリトンとはMirlitonと書きます。ミルリトンという言葉は、このお菓子の名前のほかに、ルイ15世の頃の金貨、または管楽器(笛)の一種、フランス革命のころの騎兵の帽子などの名前にも使われている言葉です。お菓子のミルリトンは、フランスのノルマンディー地方の「ルーアン」という町で昔から親しまれている家庭的なタルトレットなんだって。そこから、「ルーアンのミルリトンMirlitons de Rouen」とも言われているんだよ^^実際、私はフランスのパティスリーでも見かけた事は無いんですが、麻紀先生はありますか?
麻紀(以下M):私も無いなぁ~。あっ!アミアンに行った時に出会ったかも!!うんうん、思い出した!そのお店ではただのミルリトンって名前だったけどアミアンのミルリトンだから「ミルリトン・ダミアンMirliton d'Amiens」だね♪サクッとした生地にふんわりとしてるけどアーモンドの濃厚な味わいのアパレイユ......いろんな地方にいろんなミルリトンがあるんかな?
典子(以下Michi) :本場ルーアンで食べてきましたよ!学校でも教科書でも名前を知っているので本場のミルリトンを見た時にはテンション上がってもりもり食べました♪今でこそいろいろな地方でも見られるみたいですけど、やっぱり北の方イメージですよね!アーモンドと卵と生クリームで作られた素朴なお菓子だからこそ、素材がおいしいと無条件においしい!!に繋がるんだと思うんです。フランス北部は乳製品がおいしい地方なんですよね!美貴ちゃんできた~?
Mi:もうすぐ焼けますよー!その前にもうちょっと勉強します。。。夕子先生のおっしゃってたようにミルリトンという言葉にはいろいろな意味があるんですが、笛の名前だったのが、その筒状の形に似ている帽子や形が似ているお菓子に意味が広がってきたとか(似てるかなぁ......)。「ミルリトン」って可愛らしい名前から、兵隊さんの帽子は想像できないですね。
お話のように各地で様々なミルリトンが作られていますが、(日本でも、たまーに見ます)ルーアン風とアミアン風が有名ですね。ルーアン風はアパレイユに生クリームを入れ、アミアン風はアパレイユに生クリームを入れない、というのが大きな違いのようです。アーモンドパウダーやフルーツを入れたりオレンジの花水で香りを付けたり・・・というのは、近年になってからのおいししくするためのアレンジだそうです。
ちなみに、最近までフランス勤務だった先生方に聞いてみたんですがルーアンでもアミアンでも、ほとんど作られていないそうです。尋ねてみても、「そんなに古いお菓子、もう作ってないよ」と言われたり(涙)。みち子先生が、現地で食べることができたのは、かなり貴重な経験だったかも知れませんね!「ミルリトン」発祥の地では、もう忘れられそうなお菓子が、他の地方で色んなアレンジをされておいしく作られているなんて!シンプルで素朴なのに、とってもおいしいお菓子に出会えた時って本当に幸せな気持ちになれるんです。
さぁ、そろそろ焼きあがりますよ!今回は、アパレイユに生クリームが入っているので「ミルリトン・ド・ルーアン 」ですね!さぁ、召し上がって下さい!
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