【日本料理一年生】 31時間目 小松菜の炒め浸し(朝食メニュー4)
朝食メニュー第4弾は、「小松菜の炒め浸し」です。ほうれん草や菊菜の料理で有名な「お浸し」は、ゆでた野菜などを、うまみをきかせたつけ地にしばらく浸して味を含ませたものですが、朝の忙しい時間帯には、ゆうちょうにつけ地に浸している余裕はありません。そこで、今回のような「炒め浸し」はいかがでしょう。材料を加熱することで、早く味を含ませる「煮物」と「浸し物」の長所を兼ね合わせた料理です。
小松菜は、味の淡白な野菜ですから、炒めて油のコクを加えると同時に火を通します。そこにうまみをきかせただし汁と調味料を加え、軽く煮ると早く味をつけられます。
今回は、『小松菜の炒め浸し』でどんなコラムを書こうか、本当にコマッナー(困ったな)。ということで(笑)、小松菜について少しお話します。
小松菜は、蕪や白菜、野沢菜、高菜と同じアブラナ科の葉物野菜で、冬の代表的な緑黄色野菜として、ほうれん草と双璧をなします。あくが少なく、独特の香りを持っているので、今回のような「炒め浸し」のほか、冬場の色々な料理に使われます。
講談社の『旬の食材 秋・冬の野菜』には次のような話が載っています。「『鷹将軍』の異名をもつ吉宗が鷹狩で有名な西小松川を訪れた際、腹ごしらえに供されたお雑煮に入っていた、歯ざわりのよい青菜にいたく感激したという。名前を尋ねたところが、地元では決まった名前がなく困っていると、吉宗はこの地名をとって『小松菜』と名付けたという。」。八代将軍徳川吉宗は「暴れん坊将軍」で有名ですね。西小松川とは、現在の東京都江戸川区小松川あたりのようです。
<このコラムの担当者>
タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
小谷良孝
辻調の御言持(みことも)ち
重松麻希
<このコラムのレシピ>
小松菜の炒め浸し