【それゆけ!じゃぱに~ずクッキング♪】 熟成で日本料理(いかの塩辛)
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●いかの塩辛●
熟成
今回ご紹介するのは「烏賊の塩辛」です。塩辛にはいろいろな種類があり、鰹の内臓で作った「酒盗(しゅとう)」、鮎の内臓で作った「うるか」、鮭の腎臓で作った「めふん」などが有名です。
これらはいずれも強めの塩を加えて、保存性を高めるとともに「熟成」させることで、アミノ酸が増えて旨味が増します。酵素などが働くことで、美味しくなることを見つけた先人はすごいですね!
さて、烏賊の塩辛を作るにおいて、なくてはならないのが「中腸腺」と呼ばれるものです。 「???なに?それ」と思いましたか?実はこれ、俗に、ワタとか肝などと呼んでいるもので、「肝膵臓」とも呼ばれています。 これを烏賊の身と共に混ぜ、塩を加えることで、熟成して塩辛になります。
ところで、烏賊の塩辛には、黒造りと赤造りがあることを皆さんはご存じでしょうか?名前が示す通り、黒造りはイカ墨を加えて作ることによって黒くなり、赤造りは烏賊の皮を取り除かず作ることで赤くなります。
塩辛は、家庭で作るのは難しそうで、市販品を購入されることが多いかもしれませんが、意外と簡単に作れるものなのです。新鮮な烏賊が手に入れば、ためしに作ってみるといいでしょう。
ちなみに、常温でも保存がきくようにするには、15%程度の塩分濃度に調節しないといけないので、けっこう、しおからくなります。しかし冷蔵庫で保存し、短期間で食すのであれば、4~5%程度に抑えることができます。 また、食べる直前に生姜の絞り汁や柚子の皮を入れると、より一層風味豊かに食べられます。日本酒との相性は抜群です。
昔の人々は、生活の知恵の中でこのような熟成をおこない、「旨味」を感じていたのだと思うと、何ともいえない不思議を感じます。
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