【百人一首と和菓子】波間の恋
<【百人一首と和菓子】ってどんなコラム?>
お菓子について
この歌を読んで、浪間に漂うように、行方の分からない恋の不安を、抽象的に表現しました。
豆辞典
46 曽禰好忠(そねのよしただ)
生まれた年も亡くなった年もはっきりせず、両親の名前もはっきりしません。平安時代の歌人で、長保5(1003)年に70数歳で生きていたということが分かっています。
長い間、低い位にとどまっていたので、貴族達から軽蔑されたこともあり、そのためか、少し偏屈な性質も持っていましたが、当時の有名歌人であった恵慶(えぎょう=47番の歌の作者)、源重之(みなもとのしげゆき=48番の歌の作者)、大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ=49番の歌の作者)などと交流があり、影響力も大きかったようです。
円融(えんゆう)院が催した子(ね)の日の御遊びに、招かれないのに出席し、追い出されたという話もありますが、実際はどうだったのか......。
さて、歌の方ですが、
由良の瀬戸を漕ぎ渡っていく舟人が梶緒が切れて行方が分からなくなるように、どうなっていくのか分からない私の恋の道であることよ。
というくらいの意味です。
「由良のと」が、現在の京都府宮津市由良、和歌山県日高郡由良町などの説があり、また、「かぢをたえ」を「梶を絶え」とするか、「梶緒絶え」とするかというような説があり、解釈が複雑で、意見が分かれる歌です。
流れの早い場所で翻弄される舟に恋の行方を象徴させています。歌からは、不安、心細さ、頼りなさなど、あまりよいイメージが読み取れない恋ですが、どのような結末だったのでしょう。
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