"グレーテル"のスタジオから【米原万里のハルヴァ】
11月8日放送のグレーテルのかまど「米原万里のハルヴァ」はいかがでしたか?
ハルヴァときいて「んっ、それ何?」
という方も多いはず。
ロシア語の同時通訳者で作家・エッセイストの米原万里さんが書いた
「旅行者の朝食」で紹介されたことによって
どんなに美味しいお菓子なのか、食べてみたい。と
グレーテルのかまどにもリクエストの多かったスイーツです。
ハルヴァは、中東や東欧などで食べられるお菓子。
さらに、地域よって作り方も味もさまざま。
米原万里さんが食べた魅惑のハルヴァがどんなものだったかは
今となっては、残された資料から推察するよりほかありません。
そこで、たよりにしたのが妹の井上ユリさん。
子供の頃、お姉さんの万里さんと一緒にハルヴァを食べたお一人です。
そして実は、井上さんは辻調の卒業生で、料理研究家でもあります。
これも何かのご縁ですね。
今回は、試作の前にエコール 辻 東京へもお越しいただきました。
とはいえ、何しろ半世紀近くも前の話。
現在、手に入るハルヴァを食しながら、おぼろげな記憶をたどっていただき
味のイメージを伺いました。
さて、収録当日。
米原万里さんが食べたいと願った味に近づけられるでしょうか。
トルコなどでは、ゴマ風味のハルヴァが多いそうですが
米原さんの本の中には、ゴマの味がするような記述はでてきません。
もし、ゴマの味がすれば、そのことが書いてあるのではないか?
旧ソ連の女の子からもらったお土産という記述をてがかりに
今回は、ローストしたひまわりを使いました。
これをペーストして使います。
さらに熱したシロップに、粉砂糖と卵白をまぜたものをいれるとあら不思議!
泡泡になりました。そしてペーストを加えて、さっくり混ぜたらできあがりです。
生地を流し込んだら、ナッツ類をまんべんなくまぶしてくださいね。
ちなみに、この器。
オリエンタルな雰囲気のある素敵な器ですね。
毎回、スタイリストさんがテーマにあわせて用意をしてくれています。
かわいい小物たちもグレーテルのかまどの見どころの一つですよね。
さて、今回のハルヴァでこだわったのは、米原万里さんが食べたハルヴァです。
本の中では、「スプーンでこそげる」とあります。
固さは、どうでしょう?米原さんが食べたのに近いですか?
スタッフもみんなで、できあがったハルヴァを確認します。
最後の試食シーンの収録を見守る喜多村貴光先生と山本真希子先生。
試行錯誤を重ねがらも、美味しいハルヴァが出来上がりました。
何度か、お家でも作っていたという井上さん。
手に入る素材で、美味しいレシピが出来たと喜んでいただきました。
あの時の、あの味。
米原万里さんも喜んでくれているでしょうか。
文献やイメージからスイーツを形にするという大変な作業でしたが
お菓子を作ることのおもしろさや可能性を
あらためて感じた今回のグレーテルのかまどでした。
では、次回の「グレーテルのかまど」も、お楽しみに。
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『グレーテルのかまど』
毎週金曜日放送 21:30~21:55 【NHK Eテレ】
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