「信長のシェフ」season2 最終話 撮影裏話
最終話いかがでした?お市の方、茶々が助かった裏には平成のフレンチ料理人ケンの力があったんですね。
でも、ここで話が終わったのでは「信長のシェフ」としてはそのミッションを完遂してませんよね。と言うことは・・・続編?
今回も天才料理人ケンは毎回毎回の信長の難題を料理で解決しました。
★★★
今回の撮影は寒さの中で始まり、暑さの中で終わりました。
最後の「撮影裏話」は<信長のシェフ>のシェフたち(辻調の先生方)の撮影の時の姿を写真でたどってみたいと思います。
★★★
こういったドラマの撮影協力は本来の私たちの仕事である「教える」こととはまったく異なります。
撮影現場では料理のことは『消え物』と称されます。
そして、撮影側の担当は美術のスタッフになる場合がほとんどです。
業務の内容を簡単に紹介しておきます。
【製作スタッフの話】
撮影スタッフの総人数は50人弱。その頂点にいるのが監督です。ですから常にチーム名は「~(監督名)組」と呼ばれます。
連続ドラマの場合、数名の監督が数話ごと担当していきます。当然周りのスタッフの大半の方々も監督と同様代わります。
もちろんその度に撮影のリズムが微妙に変わります。このあたりがなかなか難しい、というか大変な部分です。
【カットの話】
例えばあるシーンで演技者1名が登場し、ある料理を食べるとしましょう。一人分を作ればいいから楽?
とんでもないです。その1名がその料理を食べるシーンはあらゆる方向から撮られます。
これを“カット”と言いますがこのカット数が多くなると時間がかかります。
時間がかかると温かな料理が冷めてしまいます。
すると料理にカメラが寄っていったときに表面の状態が変わってしまったりします。
ですから“段取り”の際に何カット撮るのかを把握し、それに基づいて皿数を予測して作っておく必要があります。
【タイミングの話】
実際のレストランでは料理を出すタイミングは料理人自らが決めることができます。
そして、その料理の最高の状態で出すことができます。
ところが撮影はそういうわけにはいきません。
スタッフの方が「次のカットが終わればお願いします」と予め声をかけてくれます。
こちらもだいたいは予想していますが、想定以上に長引く場合、その反対に早まったりすることもあります。
ここでは「映像的」に最良の状態でカメラの前に出す必要があるのです。
【演技の中での話】
食べかけの料理を作ることもあれば、失敗した料理(これはプロの料理人にとってはけっこう難しいのです。
プロの技術は巧く料理を作るためにあるわけですから)を作る必要もあります。
真剣に作った料理を「演技」でひっくり返されることもあります。これは少し悲しいです。
【撮影時間の話】
時間も長いです。深夜に及ぶこともけっこうあります。
監督を初め、カメラマン、照明、音声、大道具、美術、衣装等々の全てのスタッフの面々の卓越した技術が寄せ集まりひとつのドラマが完成します。
本当にすべてのスタッフの「プロ意識」には感銘をうけ、触発されることが多々ありました。
もちろんこの「すべて」の中には辻調の先生方も含まれていると考えています。
「<信長のシェフ>のシェフ達」
西洋料理:伊藤雄大先生、渡邊奈祐子(第7話~第9話)、薬師神隆(第1話~第6話)
日本料理:木村栄至先生、毛利英二先生
中国料理:小川智久先生(第8話)
本当にお疲れ様でした!