毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第35講「タコ」
6月1日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。
テーマ食材は「タコ」。
▲おいしそうなメスダコ
サッカーの勝利チームを予測することで有名になったタコがいますが、他にも話題が豊富でいくつか挙げてみると、
・タコも夢を見るようで、体色を変化させたり体の形を変えたりしながらレム睡眠をしているのでしょうか。(夢見るタコ)
・ビンの中に自分の好きなエサが入っていると、蓋を回し開けて食べるというような知能の高さを持っています。なにせ脳が9つあるそうなので。(学習するタコ)
・コレクションをすることもあるそうで、気に入った貝殻や石などを集めて棲み家を飾ったり身を守るために持ち歩いたりもするそうです。(多趣味なタコ)
・オスダコはメスの前では尻込みしたり、戸惑ったりすることがあるそうです。(シャイなタコ)
また、ストレスで自分の足をかじってしまうことが知られています。
・藤の花にたとえられ海藤花と呼ばれる卵(今回も料理で使用)を何も食べずに守りそだて、子ダコが生まれるのを見届けて一生を終えるという母親ダコの壮絶な母性。(愛情溢れるタコ)
など、知的で不思議な行動をします。
昔はタコ型火星人の絵を見かけましたが、現在では本当に地球外生物ではなかったのか、という説もあるくらいです。
さて、対談の様子は新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。
料理は石田先生が担当です。
▲芋蛸南瓜(タコの柔らか煮、子芋含め煮、南瓜含め煮)
石田;タコの定番料理と言えば、芋蛸南瓜です。タコの足を大根で叩いて、繊維をほぐすことで柔らかく煮上がります。ごく弱火で煮るのがポイントで、煮立てると皮がはがれて見た目が良くありません。
▲海藤花と吸盤の黄身酢かけ
石田;海藤花とはたこの卵の塩蔵品で、兵庫県明石市の名産です。卵粒がつながり、藤の花を思わすところからつけられた名です。
▲タコ変わり揚げ
石田;タコ焼きをイメージに考えました(笑)。たタコ焼きに使用する材料、小麦粉、卵、ソース、紅生姜、青葱、乾燥桜海老、鰹節を衣にして揚げて、仕上げに青海苔粉まぶしました。
▲タコしゃぶ
石田;タコの皮を取り除き、身を薄切りにします。昆布だしでサッとしゃぶしゃぶにして、歯ごたえを楽しんでいただきます。
▲タコ緑酢和え
石田;タコと胡瓜の酢の物をすこし変化させました。胡瓜は薄切りではなくすりおろし、三杯酢と合わせて、胡瓜酢(緑酢)にしました。
合わせるお酒は、田治米合名会社の「竹泉 純米吟醸 雄町」。
一同声を揃えて、「やっぱり竹泉はうまい」とのことでした。
次回7月のテーマは「サザエ」。
どうぞお楽しみに。