毎日新聞「美食地質学」 第2講 瀬戸内海の恵み―アイナメ 斜めのシワで「天然のいけす」
5月2日(火)刊行の毎日新聞〔夕刊〕に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。食の背景を知ることは、美食の「隠し味」となるはず。料理人にとっても、興味深いお話が満載です。
今回は、巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の松島愛先生の対談でお送りしています。造り身の構造に興味津々。
第2講のテーマは「瀬戸内海の潮流」。瀬戸内海がもたらした滋味を味わいながら、食文化を育んだ自然の恩恵を感じる対談となりました。恩恵とは裏腹の関係にあるリスクのことにも触れています。テーマ食材に選んだのは「アイナメ」。関西ではアイナメと呼びますが、一般にはアブラメのほうが馴染み深い呼び名かもしれません。その他にも様々な呼び名があるようで、全国的に古くから地場の魚として食べられてきたことがわかります。
第2講 瀬戸内海の恵み―アイナメ 斜めのシワで「天然のいけす」
https://mainichi.jp/articles/20230502/dde/012/070/002000c (閲覧には会員登録が必要です)
お料理はなんと「アイナメ尽くし」!
アイナメのかまから取っただしを使った椀は、から揚げを椀種に。絶品。酒の肴「三種盛り」は、そぎ造り・焼き霜造り・肝衣なめろう風の贅沢ざんまい。続くアイナメの焼物は、香りだけでお酒が進むと盛り上がった木の芽焼き。最後は、あおさのあんがかかった葛叩きという優しい味でフィニッシュ。アイナメは独特の苔っぽい(?)風味が特徴ですが、持ち味をいろんな角度から味わえる大満足の「尽くし」料理でした。
料理を担当したのは、岡本健二先生。腕が鳴る!と終始やる気に満ち満ちた様子。アイナメは、今では結構な高級魚。特に春は値がはります。使える部分はすべてきれいに大事に。
助手をつとめてくれたのは小川雅史先生です。アイナメとともに一枚!
今回合わせたのは、兵庫県の「竹泉 純米吟醸酒 雄町」。
蔵元は田治米酒造さん。すばらしい熟成具合で、「燗映え」すると賞賛の嵐でした。
お酒がお好きな二人なので、お話は尽きませんでした。ぜひ本紙をご覧ください。