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毎日新聞「美食地質学」 第15講 大和王権と奈良盆地 三輪そうめん

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美食地質学入門

2024.06.04

2024年6月4日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。

「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。

第15講のテーマは「大和王権と奈良盆地 三輪そうめん」。
古代ロマンが詰まった地・奈良。今回取り上げた奈良県桜井市大神(おおみわ)神社周辺も、歩くだけで太古に思いを馳せることができます。ところで、大和王権はなぜ奈良盆地で生まれたのでしょう。その理由には土壌が関係するようです。そして土壌が関係して作られた食材のひとつが、三輪そうめん。大王たちがそうめんを食べていたわけではないでしょうが、今回のテーマ食材としてはぴったりです。

>毎日新聞「美食地質学」第15講 大和王権と奈良盆地 三輪そうめん
https://mainichi.jp/articles/20240604/dde/012/070/005000c(閲覧には会員登録が必要です)

今回の対談担当は、辻調理師専門学校の日本料理・安場昌子先生です。

巽先生(右)と安場先生(左)。
安場先生が持っているのは、索餅(さくべい)。そうめんの原型だそう。


今回のテーマ食材の「三輪そうめん」です。
のどごしがいい...というと飲み物の表現みたいですが、そうとしか言えないツルツル感!

今回のお料理を紹介しましょう。

まずは冷やし彩りそうめんから。
そうめんには「ヒネ」のものがあるのを知っていましたか?
新物とヒネ、変わりそうめんの3種が登場し、実際に比較しながら、食味実験のようなテイスト。
エビ風味のつけだしと、夏野菜たっぷりのとろみのあるだしでいただきます。このだしがまた美味しい。

その次に供されたのが、パリパリの揚げそうめんです。
新玉ねぎで作った緑と白の若草あんには、うまみたっぷりの貝類やきのこが入って満足感があります。

普通の揚げ麺よりも細いので、あんがからみやすい。これはお酒が進む味。

3品目は、大和肉鶏を使ったにゅうめんです。

大和肉鶏は味が強く、それを照り焼きと低温調理の2種に仕上げてトッピング。
もちろんだしにも使われており、このだしがまた香り高くて絶品。
麺は、そうめんのフシの部分(そうめんを竿にかけて干すときの、折れ曲がった部分)を使用しました。


大和肉鶏にまぶされた、シュレッドチーズみたいなものは...


その正体は「蘇」!
この他にも、奈良の醤(ひしお)や大和茶など、あちこちに奈良食材が隠れていました。

そうめんが主役って難しいですよね...。
そんな難題に応えてくれたのは、日本料理の村島弘樹先生です。


助手をつとめてくれたのは、竹下紘叶先生です。ありがとうございました!

合わせたお酒は、大神神社のお膝元・今西酒造さんの「三諸杉 特別純米酒 山乃かみ酵母」でした。
冷酒とぬる燗で。また今日もお酒が進む対談現場でしたね笑。

次回の美食地質学は、7月2日(火)『毎日新聞』(夕刊)の予定です。
どうぞお楽しみに!