毎日新聞「美食地質学」第21講 男酒・女酒 灘と伏見
2024年12月3日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。
第21講のテーマは「男酒・女酒 灘と伏見」。
日本を代表する酒どころ、兵庫・灘と京都・伏見。俗に「男酒・女酒」と対比されます。
灘はきりっとした辛口、伏見はまろやかな甘口で、その違いは水が作るといわれます。
ところが巽先生は、地質の観点から見ると他の見え方があるとのこと。
そのお話を深くお聞きするため、今回は実際に灘に足を運ぶことにしました。
>毎日新聞「美食地質学」第21講 男酒・女酒 灘と伏見
https://mainichi.jp/articles/20241203/dde/012/070/002000c(閲覧には会員登録が必要です)
一同が訪れたのは、兵庫県神戸市にある酒屋「濱田屋」さん。
ご主人の濱田さんが厳選した灘の酒が揃っていて、今回のテーマにはうってつけです。
今回の対談は、辻調理師専門学校の日本料理・安場昌子先生が担当しました。
お酒の水色をみる先生たち
飲み比べに用いた灘の菊正宗と、伏見の黄桜。その違いははっきりと!
今回の企画に合わせて、特別に持ち込ませていただきました。
違いを学んだあとは、濱田屋さんにご用意がある灘のお酒を賞味。
特長をつかんでからだと、よりそれぞれの蔵のこだわりが理解できますね。
こちらはそのうちの一つ、剣菱の瑞祥黒松も登場。下り酒の代表格です。
灘と伏見の酒の味の違いはどう生まれ定着したのか。
巽先生の見立ては、通説に疑問を呈するものでとても勉強になりました。
濱田屋さんの酒肴をいただきながら。
サゴシの焼霜造りもサプライズ登場。湯川先生が釣ったサゴシを使ったとか?!
対談前に、まち歩きをしていたなかで見つけた灘の酒蔵マップ
先日、文化庁が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が日本酒や焼酎などの「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。正式に決まるのはそろそろでしょうか。この機会に、灘やそのほか日本各地にある酒どころを訪れて、お酒を頂戴しつつ地質の話に思いを馳せるのは学びが多そうです。
次回の『美食地質学』は、2025年1月7日(火)掲載予定です。お楽しみに。