和食WEBマガジンWA・TO・BI 日本料理のことば「雑煮」
『あまから手帖』による料理人のための和食専用ウェブマガジン「WA・TO・BI」では、最新の調理技術、大切にされてきた古い仕事、生産者による食材紹介、日本の酒のこと、うつわの知識、雑学など、日本料理にまつわる旬の話題が日々更新されています。
●WA・TO・BI
https://www.watobi.jp/
辻調はそのなかで、「日本料理のことば」を担当し、月に1度「へぇ~」と思える語源由来を紹介しています。
2024年12月のテーマは「雑煮」。
由来は諸説あり、かつては正月に限らない食べ物だったともいわれています。
古い本に出てくる夏の雑煮とは?!ではどうやって現在のかたちに定着したのでしょう。文献の記載を中心に辿ってみました。
自分のおうちの雑煮が、なんだか型にはまってないな?と思う方、大丈夫です。
そもそもが、もっと自由なものだったようですよ!
●ことばのコラムへのリンク● 日本料理のことば ―雑煮
https://www.watobi.jp/word/6852.html(無料記事)
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また、ことばのコラムと合わせて、日本料理の竹本正勝先生が3種類の雑煮の作り方をご紹介。
白味噌雑煮、すまし仕立て雑煮、そして贅を尽くした潮仕立雑煮です。
●料理「雑煮」へのリンク● ※閲覧には会員登録が必要です
・Vol.1 白味噌雑煮とすまし仕立雑煮(12/5公開)
・Vol.2 潮仕立雑煮(12/9公開)
料理写真(上)撮影:東谷幸一さん
お雑煮なので、塗りの椀を用意するところから。
辻調が所有するとても貴重な品だそうです。いくら良いものでも、ずっとしまい込んでいるのではもったいない。
きれいに磨く竹本先生が、椀が納められていた木箱を指さして、
「ココ見て」と教えてくれたところに近づいてみると、
なんとなく「国宝」と読めるような...
傍らにあるのは、輪島塗のお膳です。能登の震災で行き場を失ったお膳が、回り回って辻調へやってきました。
能登では冠婚葬祭の料理の器として御膳を揃える家が多いそうで、これも大切に受け継がれてきたものなんでしょうね。
「潮仕立雑煮」を盛るのに使っているので是非ご覧ください。この先も辻調で大切に使わせていただきます。
今日の器は、先生以外は触らないでおこう!と撮影班が誓ったところで撮影が開始。
工程写真の撮影では、手元を森田夢美衣先生がつとめてくれました!
おがくずの中で暴れる伊勢海老もなんのその、スマートに捕まえる先生。
今回の撮影に関わったのは、関西人を中心に、瀬戸内出身の先生などなど。
ところが、家庭のおせちの特徴がてんでバラバラなことが判明。
地方ごとに傾向はあるけど、結局は家の個性ということかもしれません。
お餅一つとっても、丸いのを煮るか焼くか、角餅か、変わり種か。
雑煮は家庭だけで作るものという思い込みも良くないね、と話しながら。
人のおうちのお雑煮は気になるもの。
話のきっかけになりますし、料理屋でお店側が考えるお雑煮をいただくのも楽しそうです。
今回使った椀と、美しい箸袋。
箸袋も、辻調の日本料理の先生のお手製なんですよ!
竹本先生いわく、今回のお雑煮はすべて、料理屋さんでも役立つレシピとして考えたとのこと、ぜひ読んでみてください。