『落語食堂 らくしょく』開店!(33日目)
毎日新聞夕刊(関西版)1/6(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「しじみ売り」。
ある雪の日に、素足にわらじ履きの小僧がしじみを売りにやってきた。
親方はしじみを全部買って川に流してやり、小僧の身の上話を聞く。
以前ある夫婦を助けたことが、巡り巡ってこの小僧の境遇につながり・・・という人情噺。
お噺に登場するしじみを使って
独特の世界観を作り上げたのは、日本料理の山下彰啓先生。
まずは、10日えびすにちなんでエビスビールで乾杯。
新年早々から絶好調です(笑)
実は山下先生、昨年末に吉坊さんの寄席を観覧。
あまりもの噺のうまさに感銘を受け、
今回はいつも以上にハイテンションでスタートしました。
さあ1品目は、「箱寿司、巻き寿司」
親方がかわいそうな小僧に持たせてあげる寿司。
寿司の中面には海苔や椎茸がサンドされています。
「ケラ箱を使って押しながら作るんです。」と山下先生、
ケラ箱のからくりを説明します。
大阪寿司はしょう油なしで食べられるんですね。
あれ?お噺に出てくるしじみはどこに??
山下先生曰く、「お噺の中ではしじみを川に流してしまうので
しじみを使いたくなかったんですよねぇ・・・」と。
一同「えぇ・・・・・・?!」
「本当は使いたくなかったんだけど、ひっそり入れました。」
よく見ると巻き寿司にしじみが少~し・・・
「ひっそりと入れた」と何度も強調していましたが、
ただひっそり入れただけでは終わらないのが山下先生。
「しじみ売りなので、"シジミ"ときゅ"ウリ"を入れました。」
はい、さすがです(-_-)
そして、巻き寿司に添えられているさつまいもはレモン煮。
ここで、お酒が登場。
今回も助手を務めてくれた毛利先生がうんちくを説明します。
なぜこのお酒を選んだのか、山下先生仕込みの洒落で何とか"えびす"に繋げる。
毎回の登場、ありがとうございます。
そして次は、八寸「宝恵駕籠」
「開運御守札」
お正月らしく、とても縁起が良さそうですね。
かわいらしい駕籠の中を覗いてみましょう。
こばんに見立てた金箔付きのからすみや
結び柳にも、色とりどりの食材が。
思わず手に取ってハイチーズ!
「今回は人情もののお噺なので、温かい料理をと思って」と
焼き立てのアツアツでプルンプルンのたまご焼きを出す演出も。
「今回は何を作ろうか、すっごく悩みました」と山下先生。
「自分で"しじみ"という選択肢を切り捨てましたからねぇ」と吉坊さんが笑う。
そんな会話をしながら、「クセ」の話へ。
しじみのようなクセのある食材はどう扱うのか。
「素材の味を残してクセを美味しさに変える料理を考える」という山下先生に
プロの料理人の顔がチラリ。
「人間も同じ。
クセを自分で認識して、それを個性として活かせるとよい」と吉坊さん。
最後に、新年の抱負を述べながら本日も終了しました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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