『落語食堂 らくしょく』開店!(43日目)
毎日新聞夕刊(関西版)1/5(火)号に掲載されている『落語食堂 らくしょく』!
今回のお噺は、「小倉船」。
お馴染みの「浦島太郎」のお話をパロディー化したもの。
関門海峡を渡る船から財布を落とした男が、
フラスコに入って財布を探しに海の中へ。
フラスコが割れて辿り着いた先は竜宮城。。。というお噺。
今回、お噺の世界観をイメージし 料理を作ったのは、
日本料理の中村泰弘先生。
竜宮城といえば亀ということで箸置きに亀が。。。
本当は、竜宮城の亀には角が生えているんだとか。
吉坊さんは新年にふさわしく、
爽やかな空色の着物に袴姿で登場。
「旅噺は青色で。」
そして乾杯!2016年もよろしくお願いします。
では、1品目「風船氷の刺し身盛り合わせ」
お噺では、船から財布を落とした男が、
それを拾いに行くために、フラスコに乗って出かけるという設定。
さて、このフラスコに見立てた氷のドームの中には
なにやら料理が入っている様子。
「新年なので、鏡開きのように割ってください」と中村先生。
「めちゃくちゃ楽しいじゃないですか、これ!!」
と嬉しそうに木槌を持って身構える吉坊さん。
では、フラスコ鏡割りのシーンをどうぞ。
中からは、刺身が出てきました。
鯛と赤貝で紅白にして新年を意識。
赤貝は1/5の掲載に合わせて「いちご赤貝」。
めでタイですね~
中央に添えられているのは、浜防風(はまぼうふう)というあしらい。
根っこを十字に切ると碇の形になることから
イカリ防風ともいうそうです。
ここで、200年前の古伊万里のお猪口が登場。
吉坊さん、まじまじと眺めながら
「鳳凰の描かれ方がザツいですねぇ(笑)」と。
飲み心地は「むやみにめでたい!」
さて、2品目は「八寸」
中央のからすみ大根は、亀甲切りに。
右上の鯛龍皮巻きは、竜宮城に掛けて。
河豚(ふぐ)の手まり寿司は、
新年にふさわしく福(ふく)がくるように。
ちょっと見えにくいですが、八寸の底に敷かれているのは"ユズリハ"
この葉は、春に若葉が出たあと、
前年の葉がそれに譲るようにサッと落葉することから
世代交代の象徴とも言われ、縁起物とされています。
「今日はめでたいもの尽くし。宝船仕様ですね」
と言いながらフラスコが海に沈んで行く様子を扇子を使ってゆらゆらと。
波をイメージした手ぬぐいも披露してくださいました。
「いつもは目立たない模様の手ぬぐいを持っているのですが、
今回は波をイメージしてはっきり模様を。」
さり気ないところにも気配りをされている、
そのお心遣いがステキですね。
最後に、本日のお酒は八鹿でしたが、
瓶の中には今年の干支「猿」のモチーフが。
お噺の最後に、男を家まで送り届けてくれる
猩猩(しょうじょう)をイメージして。
吉坊さんの解説によると
「猩猩は水の中に住んでいて酒好きの妖精」だそう。
猩猩のモデルはオラウータンという説もありますが、
吉坊さんのお稽古場では
「"猩猩はロシア人"伝説」が有力だとか(笑)
本年もよろしくお願いいたします。
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