辻製菓専門学校学生「京菓子展2021」京菓子デザイン部門に入賞
公益財団法人 有斐斎弘道館、旧三井家下鴨別邸運営コンソーシアムが主催する京菓子展「手のひらの自然―徒然草」においてデザイン公募がおこなわれ、「京菓子デザイン部門」にて辻製菓専門学校・和菓子クラス2年生の作品が、特別賞および佳作として入選しました。
この展覧会は、芸術文化である京菓子を通して、広く古典文学について知っていただくとともに、京菓子の理解を深めることを趣旨とします。2021年度のテーマは「徒然草を通して表現される小さな芸術」。学生が挑戦した「デザイン部門」は、徒然草の世界からイメージを膨らませて、新たな感性でデザイン画を描きおこすというもの。応募には、年齢も経歴も国籍も問われません。
本校の和菓子クラスからは、10名・計12点の作品がエントリーされました。学生たちには強制ではなく自由参加としていましたが、非常に意欲が高く、先生も熱心にアドバイスを繰り返して完成したとのこと。絵を描くことは、和菓子作りにとって非常に重要です。普段の授業のなかでも、デザインプレゼンテーションを多く取り入れています。京菓子展の審査員は、あらゆるジャンルのプロフェッショナルですので、学生たちにとって非常に刺激的な挑戦の機会となったようです。
参加した和菓子クラスの学生たち。それぞれのエントリー作品とともに。
入選作品は、プロの菓子職人により実作され、「京菓子展」の会場で展示されました。他の受賞作品などは公式サイトでご覧いただけます。
●京菓子展2021
https://kodo-kan.com/kyogashi/
今回、審査員特別部門「古典の日推進委員会賞」に選ばれた「染」をデザインしたのは、鄭 雯心(テイ ブンシン)さん。台湾からの留学生です。「東洋的な一服の水墨画のような小宇宙」と講評されました。徒然草 第三十八段「名利に使はれて、閑(しず)かなる暇(いとま)なく、一生を苦しむるこそ愚かなれ」からの発想で、「迷いのまま名声を求めるばかりでは、清い初心に陰りが差し、あっという間に広がっていく」という様を描いたそうです。
銘「染」
実作、および講評の詳細についてはこちらをご覧ください→ https://kyogashi.jp/award-winning
●鄭 雯心さんのコメント
この度は、栄えある賞をありがとうございます。名だたる審査員の方々からの評価ということで、大変自信になりました。普段から、ジャンル問わず文学が好きで、暇さえあれば読んでいます。『徒然草』を読むのは初めてでしたが、この世界観の一端に触れられたことで、とても貴重な体験になりました。和菓子は、季節感と密接な関わりがあり、いろんなものを表現できるのが好きです。実は洋菓子も中華菓子も学んだ経験があるのですが、いつかは和菓子も取り入れて、お店ができればなと思っています。改めて、ありがとうございました。
鄭雯心さんと、指導を担当した定岡宏和先生。おめでとうございます!
また、佳作に入選した作品は以下の通りです。
こちらのデザインも、京菓子展のサイトにて公開されているので、是非ご覧ください。
https://kyogashi.jp/honorable-mention
・銘「無一物」 /鄭 雯心さん ※鄭さんの2作品目です。
・銘「虚空」 /名田愛良さん
・銘「季之巡」 /CHANG YUAN(チョウ ハラ)さん
・銘「人生の広さ」 /PARK HYUNHEE(パク ヒョンヒー)さん
チョウ ハラさんとパク ヒョンヒーさん。素敵な作品でした!
受賞を逃してちょっぴり悔しそうな学生もいましたが、挑戦は無駄になりません!みなさん、おつかれさまでした。