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北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。 |
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棒棒鶏 |
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3月に学生を引率して杭州、上海に研修旅行に行ってきました。関西空港から2時間半で杭州に到着し、まずは龍井村で茶畑を見学です。運よく茶摘み風景に遭遇しました。
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龍井茶の茶畑 |
ウーロン茶が有名な中国ですが、実は緑茶、ジャスミン茶の生産量が約7割を占めます。中でも、龍井茶は緑茶の代表選手ともいうべきブランド品で、水平釜に茶葉を押しつけるようにして炒るので平べったい形をしているのが特徴です。中国茶芸に基づいたお茶の入れ方を見せてもらって試飲をしました。香りがよく美味しいのですが、高級品は100g3000円もします。中国の物価を考えるととても高いように思いますが、品評会で賞をとったものとなると、その10倍以上の値段がつけられます。
龍井茶で一息ついた後は、その美しさを絶世の美女、西施に喩えられる西湖を遊覧船で見学です。湖を眺めていると、ゆったりとした時間が流れていきます。おや、湖のほとりに柵がない。あやまって落ちる人はいないのだろうか……。まだまだ、俗っぽいことが気になります。
100余年の歴史を誇る杭州料理の老舗、楼外楼菜館で夕食です。一歩足を踏み入れると、クラッカー、爆竹の賑やかな音がします。結婚の披露パーティが行なわれている最中でした。それを横目に2階に上っていきます。お待ち兼ねの杭州料理です。特産の龍井茶を使った龍井蝦仁(河エビの龍井茶炒め)、宋代の詩人、蘇東坡にちなんだ東坡肉(豚バラ肉の角煮)、乞食が拾った鶏を食べることから考えついたと言われる叫化鶏(鶏の泥包み焼き)、西湖の草魚を材料にした西湖醋魚(魚の甘酢あんかけ)などいわれのある著名な料理が続々と運ばれてきます。テーブルに置くところがないくらいにどんどんと出てくるのはなぁ…という感じで。
面白かったのは、今流行のフュージョン料理ともいうべき「壷中鮮菌」、一見すると松茸の土瓶蒸しそっくり。確かにきのこのスープ蒸しですが、味は残念ながら、香りとコクのあるあっさりしたスープという訳にはいきませんでした。
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壷中鮮菌 |
前菜に使われていた鶏の皮が厚く、身がしっかりしまっていて美味しかったのが印象に残っています。全般的にやさしい味付けで、外国人向けという感じがしました。調理場を少しだけ覗かせてもらったのですが、撮影はもちろん禁止。最近、中国のレストランで撮影しようとすると断られることが多いのですが、大人(たいじん)を尊ぶ中国らしくないと少し疑問に思ったりしています。実際の厨房は、一昔前に四川で見た、暗くて汚い調理場というイメージが一変するほどで、非常に明るく、前菜室も整然としていて、料理人の白衣もきれいでした。料理を提供するスピードが速すぎたのとサービスがもう少し洗練されていたら、もっと満足度が高かったのにと思いました。国営のためでしょうか、民営の先進的なレストランにも入ってみたかったのですが、次の目的地、上海に急がねばなりません。
バスに揺られて3時間半、高速道路が余り整備されておらず、道が悪い上に運転が乱暴でバスのシートが大きく弾みます。シートベルトをしっかり締めておかないと飛びはねて危険この上なく、ベルトをしないで居眠りなんかしているとむち打ち症になりそうです。私は眼鏡が飛んでしまいそうでした。皆の悲鳴がすごかったので、運転が少しおとなしくなりました。ほっ。 何やかやといいながら、バスは無事上海に着きました。この続きは次回をお楽しみに。
今回は家庭でもできる、鶏を使った料理を考えました。鶏の泥包み焼きという訳にはいかないので、お馴染みの棒棒鶏を作りましょう。鶏1羽を使いましたが、もっと手軽にモモ肉で作ってもOKです。このソースはサラダにかけてもおいしくいただけます。
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