辻調グループ

コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
辻調グループ 最新情報はこちらから
Column&Recipe
コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
牛肉の炒めもの オイスターソース風味


牛肉の炒め物 オイスターソース風味

   
 今回はテレビについての思い出です。辻調に勤めて数年たち、『ABC料理手帖』、『NHKきょうの料理』、『料理天国』などの番組の助手にいかせていただくようになりました。NHKの大阪のスタジオも今のように最新の設備が整ったものではなく、体育館のようにだだっぴろく、コードやライトが沢山ぶら下がっていました。オープニングのでき上がり、リハーサル、本番、予備のために4回分の材料を準備するのです。撮影の途中で取りに帰ることができないので、忘れ物は絶対に許されません。水廻りの設備が十分でなく、家庭用のコンロしかなく、画面に助手の手が映ってはいけなく、撮影中は雑音が入ってはいけないとないないづくしです。カメラに入らないように無言で補助をします。困ったのは揚げ油の温度です。カメラが回ったら、即適温になっていないといけません。温度計を使えばよかったのですが、当時はそこまで頭が働かず、パチパチと音がするので衣を少し落として油の温度を測ることができなかったからです。
 
当時人気番組だった『料理天国』にも行きました。東京で撮影が行われていたのですが、今のように宅急便があるわけでなく、国立校もまだできていなかったので、必要なものをすべて大阪から運びました。下処理をした材料を壊れないように、傷まないように梱包するのですが、どのようにしたらよいのかわかりません。スープなどの液体の梱包が最も大変で、現在のように便利な道具もなく、適当な保冷剤も真空パックもないので、凍らすしかありません。スーツケースは重すぎるし、ドライアイスの霜がバッグの外にでて怪しげな雰囲気が漂います。タクシーを利用すると運転手さんから不審を抱かれ、新幹線に乗れば乗務員さんから職務質問を受けたりと、思い返すと笑ってしまいます。
 
撮影当日の朝、大阪を出発、夕刻スタジオ入り、12時頃撮影が終了し、翌日2時過ぎに就寝し、朝一番で帰阪とハードスケジュールでした。大変でしたが、とても勉強になりました。私たち助手に対しても毎回丁寧に挨拶をしてくださった西川きよしさんの姿が目に焼きついています。

 そして、20年の月日が流れ、『どっちの料理ショー』に出演のお話をいただきました。随分変化がありました。前々日に東京入り、国立校で仕込みもできます。
リハーサル風景
リハーサル風景
前日に担当者に試食してもらい、打ち合わせをし、2週間分を1日で撮ります。朝から昼過ぎまでと夕刻から深夜までとに分けられます。ガスコンロは火力がパワーアップしたのですが、水廻りは相変わらず不便を感じます。料理番組専用のスタジオでないので仕方ありません。スタッフは30人以上もいて、細かく役割分担が決まっているようで、準備担当の人は徹夜をされているのでしょうか、収録中に寝ている人もいます。こちらはパネラー全員の料理を準備するのに追われています。
「どっち」の台本
「どっち」の台本
ファイナルジャッジの瞬間まで勝負の行方がわからないからです。 負けたら本当に食べられません。残った料理は、大勢のスタッフの味見用になります。 デビュー戦は麻婆ナスでした。パネラーの方が近くにこられて説明をしたのですが、緊張でしどろもどろ、何がなんだかわからないうちに終わってしまいました。
 関口、三宅両氏の「ご注文はどっち」という声が掛かったときに、緊張が最高潮に達しました。どちらが選ばれたのか、私の立ち位置からは見えません。どうやら、レギュラーの河合先生に負けたようです。負けた瞬間は悔しいというより、選んでいただいたパネラーに食べてもらえないのが非常に残念と思いました。
 負けシェフの晩餐は収録の最後です。皆が片付けをしているスタジオの隅で、十数人のスタッフに囲まれ、一人で食べながら、決めゼリフがでて、ディレクターさんからストップがでるまで「もうこんな料理は絶対に食べられませんよ。おいしいのになぁ」とか話し続けるのです。ちょっとつらいものがありました。

 牛肉のオイスターソース炒めは、『どっちの料理ショー』で披露したもので、特選素材の岩ガキを使ってオイスターソースを作りましたが、今回は家庭でも手軽にできるように市販のカキ油を少しまろやかに作ってみました。ちなみに、このときは勝利の女神が微笑んでくれたのです。
 

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 牛肉の炒め物 オイスターソース風味

迷料理人 湖南(コナン)
人物 谷康行
中文之星
人物 福冨奈津子
このページのTOPへ
 
辻調グループ校 Copyright(C) 2003 TSUJI Group