|
|
|
|
|
|
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
香港に行くと驚くことがいくつかあります。超高級ホテルではそんなことはないでしょうが、一般の料理店での、速いけれど荒っぽく、多少こぼしても平気なサービスに不満をもたれたことはありませんか。これは価値観の違いといえるでしょう。香港ではどの料理を食べても熱く、熱々でない料理は客が調理場に戻してくるほどです。「熱い」というのが調味料のひとつなのだと気づいて、サービスに対する考え方が変わりました。スピーディに、でも、スマートにいきたいものです。
ある店で客がテーブルをたつと、食器をのせたままのテーブルクロスの四隅を持って「ガチャガチャ」と裏に消えて行くではありませんか。器は1回使ったら捨ててしまうんだろうか?と不思議に思っていたら、どうやら、あの器は洗い場に直行し、何もなくなったテーブルには、すぐに新しいクロスが敷かれました。なるほど!欠けている器が多いのも、うなずけます。この荒っぽいサービスは客の回転率を促進する「一寸光陰一寸金(時は金なり)」でしょうか、食器が安いからでしょうか。これはちょっと考えてしまいました。
材料についても驚きました。新鮮で美味しいのです。それまで鶏肉や豚肉の脂の臭いが少し苦手だったのですが、香港で食べた肉類の脂身は臭いが気になるどころか、美味しいとさえ思ったことを覚えています。
日本では缶詰で見ることが多いフクロタケやクログワイが篭に一杯盛って売られていたので、一つもらって食べたのですが、甘いのです。クログワイのサクサクした食感は梨のようです。缶詰は保存食としては優れていますが、本来の味や食感がわからなくなってしまいます。
エンドウの若葉である豆苗(トウミョウ)は葉が大きく軸が太いのに筋っぽくないのです。中国料理では野菜もたいてい火を通しますが、シャキシャキした歯触りが大事で、青野菜がホクホクしています。香港の有名な料理長がアスパラガスの頭の柔らかい部分をばっさり切り落とすのを初めて見たときは「あれっ?」と思いました。味が入りすぎたり、軸の固さを基準にして火を通すので、柔らかくなりすぎて料理の仕上がりが汚くなったりするからです。食に対しての貪欲なまでの追求ですね。 |
|
今回ご紹介するのは、作ってみたかった料理です。おがくずに埋もれているカニを雑誌で見て「なんや?これ?」というのが始まり。実は「避風塘炒蟹」という料理で、「避風塘」は台風が来たとき、船が高波を避けて避難する港のことで、香港の銅鑼灣や香港仔の船上生活者達が食べていた海鮮料理のひとつです。おがくずのように見えたのは沢山のニンニク、エシャロット、パン粉。本来は「肉蟹」というハサミの大きなノコギリガザミの雄を材料にするのですが、カニより扱いやすい、同じ甲殻類のエビで作ってみました。殻ごとバリバリ食べるので、殻の薄い、小さめのエビを選んでください。今、流行りの料理です。パン粉の代わりにココナッツの粉末を使っても美味しいですよ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|