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初めて香港を訪れたのはもう18年も前になります。7月の香港に飛行機から降り立ったとき、湿式サウナに入るような猛烈な暑さと、街の彩りに本当にめまいを感じるほどでした。そして一歩建物に足を踏み入れたとき、そこはどこも冷蔵庫のようで外気とのギャップの大きさに戸惑い、香港は亜熱帯に属していることを改めて認識したのです。
汗だくで街を歩くと、立ち飲みスタンドの冷たいジュースやスイーツ、見たこともないトロピカルフルーツの美味しそうなこと。マンゴー、茘枝、パパイヤ、ドラゴンフルーツetc.。今でこそ日本でもあたりまえのように見られますが・・・。この暑さの中、素晴らしい食材で美味しい冷たいデザートの数々が生まれたのも納得できます。 |
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「ガオ バッカス(小川酒神)」というニックネームの通り、お酒が大好きです。15年前に日本酒にはまり、のめりこんでしまいました。本屋さんで「日本酒」と書いてある本が目に入るとほとんど手に入れ、評判の高い日本酒を求めて友達と旅にでました。石川県の手取川、新潟県の越乃寒梅、〆張鶴の造り酒屋を尋ねたことがありました。越乃寒梅の製造元では聞き酒をするのに準備していた白衣に着替えたことから、心掛けがよいと社長さんにひどく気にいってもらいました。酒の味を覚えると称して1日に1升飲んでいた時もありましたっけ。 |
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僕の選ぶ日本酒ベスト3を紹介します。(1)菊姫(石川県)は日本酒にはまるきっかけとなったから。山廃純米で米の味が濃くて、山吹色をしています。(2)達磨正宗(岐阜県)。20年の古酒は中国の上等な老酒そのもの。日本酒の古酒ブームの火付け役となったことで知られています。古酒の旨みは、普通なら嫌われる不純物から月日を経て生み出されるのです。長良川でアユを食べながら飲んだトロリとした舌触りは忘れられません。(3)鶴の友(新潟県)は昔からある正統派で、味がしっかりしています。このように並べると香りが強くこくのあるトロリとした酒が好きなんだと思います。 |
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次にワインに移りました。きっかけはごく単純で、デパートのワイン売り場の人と仲良くなり、週替わりに売り出される10種類のワインを毎週試飲させてもらったことからです。ワインの会を作り、月1回フランス料理とワインを楽しんでいますが、すでにこの会も50回を数えます。中国料理とワインの組み合わせはというと、塩味の前菜やあっさり味の広東料理には相性のよいものもありますが、辛みや酸味が強いとか、こってりした料理にはワインより紹興酒がピッタリきます。
ワインベスト3。(1)ウニコ70年(スペイン)を飲んだのは5年くらい前。当時すでにスペインNo.1といわれ、1本4〜5万円もしました。滑らかで繊細で、とにかく美味しかったのです。それまで、1本2000円くらいのものしか飲んだ事がなかったので、初めての高級ワインは「こんなにうまいんだ」と強烈に印象に残っています。(2)シャトー・ラヴィル・オーブリオンは89年もの。今まで飲んだ白ワインではピカ一。芳醇で引っかかりがありません。(3)シャンポール・ミュジニー・デュジャックはフランスのポール・ボキューズで飲んだ思いで深いものです。「ワイン好きが高じて、とうとうこまできたんだなぁ」とレストランの雰囲気に酔ってしまいました。
日本酒、ワインとくると、中国料理の厨師としては中国のお酒にいきたいところですが、なかなかこれというものにはめぐり合わないようです。茘枝の酒、リンゴの酒、オオヤモリ入りなど色々な酒を試して見ましたが、今のところ紹興酒が一番です。中国料理の強烈さに負けないすごい酒だと思っています。 |
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さて、今回はマンゴープリン。女性に非常に人気があり、巷にはレシピが溢れています。僕が思う一番美味しいマンゴープリンは、完熟マンゴーの味と香りをどれだけ再現できるかということです。今まで色々試してきました。牛乳を入れたり、生クリーム、エバミルク、卵・・・・・・と最初のうちは何かと手を加えたくなるものです。でも、本当に熟れた完熟マンゴーにはかないません。今は、味はシンプルに口当たりは滑らかにと考えています。 |
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