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北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。 |
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「好吃(ハオチー)!中国料理!」は、今月から装いも新たに、日常を振り返り、より具体的、実践的な内容でお送りします。「野菜炒めをベチャベチャさせず上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、ひとつの料理にスポットを当て、それに関するさまざまな疑問を解消し、どのようにしたらもっと良い出来になるかを考えていきたいと思っています。おいしい料理を作るのは決して難しいことではありません。今回は炒飯(チャーハン)です。「パラパラのチャーハンを作りたい!どうすればいいの!」をテーマに、今回レシピを担当しました「竹爐四男坊」こと小峰先生にチャーハンについて色々聞いてみました。質問者はコラム担当の「上海の兄やん」こと塘です。
塘:
おいしいチャーハンを作るにはどうしたらよいの?
小峰:
おいしいチャーハンを作るには、いくつかのステップが必要です。(1)材料の選択と切り方、(2)御飯の準備、(3)炒め方と順を追って説明しましょう。まず、材料の選択と切り方について。パラパラチャーハンですから、材料も水分を余り含んでいないものがやりやすいですね。生の材料は一度火を通して水分を飛ばしておきましょう。加熱しない材料は水分をしっかりふき取ります。切る大きさは好みもありますが、火が入ったら縮むことも考慮します。今回は春らしさを強調するためにキャベツを大きめに切りました。
塘:
一般にいわれていることですが、御飯はやっぱり冷や飯の方がよい?
小峰:
「チャーハンは冷や飯で」という料理の常識があります。しかし、本当にそうでしょうか?冷えた御飯は粘りがなくなり確かに作りやすそうです。だけど、冷や飯の状態が問題です。例えば温かいご飯をそのままラップに包んで冷凍した場合、むれていて水分もたまり、そのままで使用するとべたつくことがあります。この場合はレンジで温めなおし、そのあと御飯を広げ水分を飛ばした方が上手くいきます。
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バットに広げ水分を飛ばす。 |
また、冷蔵庫から出したばかりの冷たい御飯は空気中の水蒸気が表面につきやすく、炒めていても上手く水分を飛ばすことが出来ません。当然粘りが出て失敗することになります。やはりレンジで温めて広げ水分を飛ばすか、バットに広げて乾燥しすぎないように固く絞った布巾をかぶせ室温に戻します。わたしのお勧めは炊き立ての御飯です。チャーハンの主役はやはり御飯ですから米の香りがよいのに越したことはありません。せっかくですからチャーハン用に少し固めに炊いてみましょう。炊きたての御飯をほぐしつつバットに広げ、余分な水分を飛ばします。これでパラパラで、しかもしっとりとして風味のよいチャーハンに近づきました。
塘:
そもそもプロが作るチャーハンってどうして御飯がパラパラになるの?
小峰:
それには理由があります。まず、火力の問題です。高火力で一気に炒めるのが理想です。弱い火力だと水分が飛ぶのに時間がかかりパラパラになりにくく、香りも出ません。
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できるだけ強い火力で炒めましょう。 |
家庭の火力では2人前(御飯200g)が限度です。今回のレシピでは2回に分けて作りましょう。それと、チャーハンって大抵は卵が入りますよね。御飯は水分に触れるとその部分が糊状になり、鍋に貼りつきやすくなります。だから鍋に貼りつく前に卵の膜で飯粒を覆います。そのあと加熱すると、火の通った卵は御飯ほど粘着性がないので容易にパラパラになります。手順として、まず卵を鍋に入れて半熟状態になったら御飯を投入します。そして卵の膜を作ってあげるイメージで炒めるとパラパラになるのです。
塘:
家庭ではよく油ギトギトのチャーハンを作る人が多いようですが、何が原因なの?
小峰:
チャーハンを上手く作るには、いかに御飯の水分を飛ばし、香ばしさをだすことにかかっているといっても過言ではありません。フッ素樹脂加工の鍋なら必要ないのですが、鉄鍋を使っているなら、鍋ならしをしっかりし(注:鍋ならしについては次々回に詳しく解説予定)、適度な油を残して余分な油をきります。必要以上の油は厳禁です。適度な油の量だと米同士のくっつきを防ぐからです。どのくらいが適量かというと一概にはいえませんが(鍋の形状や火力によっても違うので)、御飯200gと卵1個で大さじ1の油です。炒めている最中に鍋に御飯がくっついたなら、それは鍋ならしを十分にしていないあなたが悪いのです。ここで、油をたすと余計にべたつきます。少しくらいのくっつきは無視。手早く鍋をゆり動かしましょう。
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NG! 押さえすぎると飯粒が割れて粘ります。 |
塘:
御飯はほぐすように炒めた方がよいの?
小峰:
「御飯はほぐすように炒めましょう」よくいわれることです。お玉の底の丸いところで軽く叩くようにほぐしていきましょう。御飯は温まれば粘りが出てほぐれにくくなります。だから早い段階で塊があればほぐしていきます。やりすぎると飯粒が割れ、かえって粘りが出てしまうことがあります。大きい塊は炒める前に前もって手でほぐしておくとベストでしょう。塊をほぐしたら飯粒と飯粒の間に空気が入るように手早く鍋をゆり動かして炒めます。
塘:
ところで小峰先生はなんで「竹爐四男坊」なの?
小峰:
それは、以前勤めていたお店から来ています。私は東京の吉祥寺にある「知味 竹爐山房」というお店で3年間働いていました。そこのお店、山本豊氏の下でお世話になっている時に、一緒に働いていた先輩が3人いまして、「竹爐四男坊」というわけなんです。これから機会があれば少しずつ話をしてみたいと思っています・・・・・っていうかチャーハンにあんまり関係ないよ!
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