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今までは本校の先生方の思い出話とか料理にまつわる話、歳時記等の話が中心でしたが、今年は日常を振り返り、例えば「チャーハンをパラパラに上手に作りたい」とか「プリプリエビチリを作りたい」とか、より具体的、実践的な内容でお贈りします。つまり、ある料理にスポットを当てそれに関する疑問に答え、どのようにしたらより美味しくなるかを考えます。けっして難しいことはないのですが。 |
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日本は世界で一番エビの消費量が多いとか。天麩羅、寿司、エビチリ、天津飯(エビを具に使う事が多い)、エビシュウマイ、エビカレーにエビドリヤ、日本人ってつくづくエビが好きですね。天然エビは家庭ではなかなか手に入りませんが、最近は養殖技術が向上し、養殖冷凍品でも処理を間違えなければ天然ものに近づく事ができます。そこで今回は、冷凍エビの下処理にスポットを当てたいと思います。
塘:
まず、冷凍エビにはどんなものがあるの。どんなものを選べばいいの。
高橋:
スーパーに出回っている冷凍エビについて、主にブラック系といわれる、体に縞のある車エビの仲間のブラックタイガーやバナメイエビ。それにホワイト系といわれる、体が白っぽいバナナエビ、大正エビ、芝エビ、シラサエビなどがあります。ブラックとかホワイトとかいうのは主に市場での俗称で、別にちゃんとした学術名がついていますので混同しないように願います。
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縦縞が特徴の車エビ(ブラック系) |
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シラサエビ(ホワイト系)は 味噌が濃厚です |
主な特徴として、ブラック系は身がプリプリして弾力がある。エビの味が濃く、加熱すると色が鮮やかになるので、炒め物、揚げ物、前菜に向いています。ホワイト系は、身が軟らかく甘味があり、頭付きの物であれば味噌が濃厚なので、煮込みに向いています。エビチリなんか作ったら最高ですね。料理によって使い分けるといいと思います。
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上:バナメイ 中:ブラックタイガー 下:ホワイト |
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左の殻をむいたもの |
塘:
では、良い冷凍エビの選び方は。
高橋:
ホワイト系、ブラック系両方にいえますが、特にブラックタイガー等の青黒い縞のあるエビは古くなると体の色が黒ずんできます。ボタンエビ、甘エビのように生の状態で赤いエビは、古くなると身の透明感がなくなり、殻も白く濁った色になってきます。そういったエビは避けたほうがいいです。
次に、エビのサイズですね。今回みたいに天麩羅にするには、小さいエビだとプリプリした食感が弱く旨味も薄いので、ある程度の大きさ(頭無し尾付きで10〜15cm)があった方がいいです。それより大きいものは値が張ってくるし、大味になってきます。家庭であればこのぐらいがちょうどよいかも知れませんね。
塘:
冷凍エビを使う場合のポイントは。
高橋:
活けのエビと違い、冷凍エビは身と殻の間に汚れ、臭みがあるため、洗う必要があります。手順として、
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1.殻を剥き、背わたを取る。 |
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2.塩で擦り、表面の汚れを浮かす。 |
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3.浮いてきた汚れを片栗粉で絡め取る。 |
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4.エビの表面を洗い流す。 |
となります。まず、殻を剥く時ですが、親指の腹でエビの足ごと挟んで殻を剥くと簡単に剥けます、次に背わたを取ります。エビは砂ごと餌を食べるので背わたの中に砂が残ります。食感が悪くならないように必ず取り除いてください。背わたの下に竹串を刺し、親指で挟みそのまま持ち上げます。途中で切れた場合は違う場所に刺し、完全に取り除きましょう。背わたが取れたら、塩を1つまみ入れ、表面を擦ります。味を入れるためではなく擦るための塩ですが、入れ過ぎないようにして下さい。塩の粒子が感じなくなり、手が汚れてぬるぬるしてきたら、片栗粉を入れてしっかり揉みます。片栗粉は汚れを吸着してくれます。全体に絡まるぐらいの量を入れてください。もし入れすぎて粉っぽくなってしまったら、水を入れて調節してください。少し糸を引く感じが良いです。片栗粉が汚れを吸い込んだら、水がきれいになるまで、何度も水を変えて洗ってください。
このように下処理をすることで冷凍エビの嫌な臭みを消すことができ、天然ものに近づきます。
塘:
その他にポイントがあれば教えてください
高橋:
今回はエビは揚げて仕上げますが、中国料理では揚げ物の仕上がりを指す言葉に「外脆裏嫩(ワイツェイリーネン)」があります。これは外側はカリッと香ばしく、中はやわらかくジューシーな状態をいいます。エビやイカなどの魚介類は肉類と違い火が通りやすいので、時間をかけすぎると火が通り過ぎて硬くなってしまいます。そのため、天麩羅など揚げ物をする時は、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておくとよいでしょう。揚げ物についてはまたいずれ詳しく紹介いたします。今回の料理は北京料理の名菜で、カリッと揚げたエビの香ばしさに甘辛いソースが特徴です。是非作ってみてください。
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