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中国料理TOPへ好吃(ハオチー)!中国料理! コラム一覧へ
連載コラム 好吃(ハオチー)!中国料理!
北京料理、上海料理、四川料理、広東料理、点心と5つのジャンルを、それぞれ担当の厨師(料理人)、点心師(点心専門家)が、中国での体験を交えながら料理の作り方とそれにまつわる話を紹介します。まずは、基本的な料理から始めましょう。
雪菜とアサリの炒めもの
雪菜とアサリの炒めもの


雪菜とアサリの炒めもの

 タウナギを知っていますか。生まれた時はすべてメスなのに、30cmを越えるくらいからオスに性転換するのです。ウナギに似たこの淡水魚は、台湾で人気者。業者さんが毎日大きなビニール袋一杯に詰めたタウナギをホテルの厨房に運んでくると、当たり前のように作業を始めます。タウナギの下処理大きな鍋に湯を沸かし、酢と塩を加えてから、生きたままのタウナギを入れ、暴れているのが静かになったら、流しにあけて氷をのせて火が通りすぎないようにすぐに冷やすのです。冷めたものを平べったい箸で縦に裂いて断面が三角形(!)の骨を取り出し、ここまですると帰っていくので、店では、この長い身を3つくらいに切り、モヤシと炒めたり、黄ニラと一緒に炒めたりします。
 面白いのは、3〜4日おきに、その日残った骨を水洗いし、朝鮮人参と水を加えて4時間くらい蒸してスープを取ることです。帰る間際に調理場の人たちがこのスープを飲んで、「明日も頑張ろう!」って家路につくのですが、本当に、なんだか元気がでるような気がしたものです。「さすが漢方の国だなぁ。」と思いました。

 魚介類ではアサリが好きです。フワッとした卵がアサリにマッチした「アサリの卵とじ」がお袋の味でした。漁港の町、尾道で育ったのですが、毎朝漁師さんが手押し車で捕れたばかりの海の幸を積んで売りに来るのです。アサリの殻をはずして剥き身にしていたのが見ていて面白く、一緒にやらせてもらったことがあります。ナイフを左手で持つと、おじさんが「左利きやね・・・」。中学生の頃の思い出です。
 今回の「雪菜とアサリの炒めもの」は店では作っていなかった料理です。台湾ではアサリはポピュラーな食べもので、生炒蛤蜊、(塩炒め)、銀芽蛤蜊(モヤシ炒め)、蛤蜊冬瓜湯(トウガンスープ)を店で出していました。雪菜はカラシナの仲間、セリフォンの漬物で、みじん切りにし、その風味と塩味をいかして押し豆腐や魚の薄切りと炒めたりします。この二つの材料を組み合わせるとおいしいのでは・・・。上手くいったと思います。ゆでた中華麺に汁ごとかけると「中華麺・ボンゴレ」、これもなかなかいけます。

 中国料理の中でも、ピンパン(前菜の盛り合わせ)を作るのが好きです。日本料理は目で食べ、中国料理は舌で食べるとよくいわれますが、ピンパンは目でも味わう芸術性豊かなものです。ギョーザ、ハルマキ、シュウマイしか知らなかったので、大阪にやってきて辻調の中国料理を見てカルチャーショックを受けました。
鳳凰ピンパン ピンパンの造形美にひかれ、始めたのですが、益々深みにはまっていきます。展示用に作る時は、50cmの丸皿に、材料を切って鳳凰などを形作るのですが、2〜3時間かかります。いくらきれいに盛り付けてもたった30分〜1時間の命で、後は劣化していくばかり。細かい作業が合っているのか、思えば、小学生の頃から、怪獣、サンダーバードなどプラモデルに熱中していました。それも複雑なものに。好きなものは幾つになっても変わりませんね。



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レシピ 雪菜とアサリの炒めもの

上海之星
人物 西浜 康之
中文之星
人物 福冨 奈津子
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