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辻調の日本料理の先生たちにも、調理師一年生の時代がありました。どんなに教え上手の先生も、一年生の時には分からないことだらけで、失敗もたくさんしたのです。そんな時代を振り返り、「日本料理一年生」のみなさんに、できるだけ分かりやすく、本物の日本料理について解説してみようと思い立ちました。「こんなにおいしいものが自分で作れるのか!」という新しい発見と喜びがきっとあるはずです。
まっ白で、ふっくら炊き上がった白いご飯。何の飾り気もないけれど、とってもおいしいですよね。最近ではレトルトパック状のものが多く売られていて、一人暮らしの人や、「すぐ食べたい。」「少し食べたい。」という時は大変便利です。また、災害の時には、とても役立つでしょう。しかし本来は、ご飯を炊いて食べるまでは、それなりの時間と手間がかかるものなのです。
おいしいご飯を炊くには、ブランド米と呼ばれる魚沼産のコシヒカリやササニシキなど評判の高いお米を使えば、必ずおいしいご飯ができるという訳ではありません。もちろん、おいしいお米を選ぶこともひとつのポイントはではありますが、それ以上に、炊くまでの手順とポイントをしっかりおさえる必要があります。
米の拡大写真です。筋のようなもの、見えるでしょう?日本料理の村島先生が、がんばって撮影してくれました。
まず、最初のポイントは洗米です。別の言い方では「米を研ぐ」。米の表面のぬかを洗い落とすのです。写真を見てください。米粒には縦に筋状の溝があり、その間にぬかが詰まっているため、こすり合わせて洗い落とす必要があるのです。ただ、何度も洗うのは禁物です。最近の米は精米技術が発達していますから、多くても2回まで。また、力任せにこすり合わせると、出来上がったご飯がボロボロになってしまいます。これを「花咲き米(はなさきごめ)」といいます。聞こえはよいですが、ご飯の一粒一粒が壊れてボロボロになったよくない状態のご飯を指す言葉です。お米は、やさしい気持ちで研ぎましょう。
さらに、米は水に浸した瞬間から水分をどんどん吸いますが、最初の1分間が一番吸水率が高いのです。だから、できるだけ早く表面のぬかを洗い落とさなければなりません。そして、寒い時期に冷たい水でお米を洗うのはつらい仕事かもしれませんが、お湯やぬるま湯で洗米してしまうと、さらに吸水率が高まります。研ぎ水を吸ってしまい、ぬか臭いご飯になってしまうので、水を使った方が無難でしょう。
次に水加減です。ここで注意してほしいのは、炊飯器に付属の計量カップです。ときどき、一般の主婦の方から「辻調さんの本を見て作るとご飯がやわらかすぎるのですが。」という質問を受けますが、ほとんどの場合は、200mlのカップを使って表示している米の分量を、「合」のカップで量ってしまわれたところに失敗の原因があります。炊飯器に付属の計量カップは1カップ=1合(180ml)です。しかし、一般に調理器具として売られている計量カップは1カップ=200mlです。炊飯器は全て「合」が基準なので、本を見てレシピ通りに作っても、計量カップを間違えて使うと、やわらかすぎるご飯や、かたすぎるご飯になってしまいます。例えば、レシピで「米 3カップ」と書いてあれば、特に注意書きがない限り、200mlのカップで3杯分という意味です。「米 3合」と書いてあれば、確実に「合」のカップで3杯分です。このことは一般の料理本でもいえることなので、十分気を付けてください。また、秋に獲りたての新米は水分が多いので水加減を控え、夏場の乾燥した米は多少水分を多く加えることも大切です。
いろいろとポイントをお話しましたが、コラムを読んでいるだけではおいしいご飯は炊けません。ここまでお話してきたことに気を付けると、ぐんとおいしいご飯が炊けます。最初は失敗してもいいので、ぜひ、今日の晩ご飯で試してみてください。繰り返すことで上手になります。さぁ、実習担当は若林先生です。
調理師一年目の思い出
辻調の学生時代の思い出です。入学前、親が魚をおろすのを見て、とても難しく複雑な作業だと思っていました。でも、学校で初めて魚をおろした時、こんなに単純だったのかとビックリ。もちろん、最初からスムーズにきれいにはおろせませんでしたが、先生が魚の骨の構造をきちんと教えてくださり、それを理解して作業すると、案外簡単だったのです。「私にもできるんだ!」と、ものすごくうれしくて、親に報告したことを覚えています。車の運転と同じで、大人になったんだ!と思える感動でした。
日本料理W.S
このコラムのレシピ
コラム担当
白ご飯
タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
小谷 良孝
辻調の御言持(みことも)ち
重松 麻希
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