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連載コラム それゆけ!じゃぱに〜ずクッキング♪
はじめまして。ぼく鯛の鯛です。鯛の胸びれの付け根あたりにある骨です。よろしく〜。突然ですが、みなさんは自分の生まれ育った国についてどのくらい知っていますか?小学生でも英語を勉強する時代、外国人と接する機会はどんどん増えます。おいしい食べ物は万国共通!簡単な料理を紹介するだけで、言葉の壁を越え、相手との距離がぐんと縮まるきっかけになるかも!ここでは、日本料理のあんなこと、こんなこと、辻調の先生たちにオモシロイ情報を語ってもらいましょう。
タイ(バンコク)で日本料理……調味料編
   今回から「それゆけ!じゃぱに〜ずクッキング♪」が始まりました。私は通常は、辻調で日本人の学生に料理を教えていますが、仕事の一環として在タイ日本大使公邸で大使の料理人をしたり、タイ人公邸料理人育成教室で教えたりもしました。この経験をもとに何度かお話をしてみます。まずは、調味料のお話です。
バンコクのタニヤは当時こんな感じでした。右手奥に「築地」が見えますか?

バンコクのタニヤは当時こんな感じでした。右手奥に「築地」が見えますか?

   バンコクの日本大使公邸は、世界各国の大使公邸の中でも屈指の大きさで、パーティーがたくさんありました。立食パーティーでは約400名まで、着席の場合は約100名までの規模を行いました。日本でも、これだけの人数の料理を用意するのは大変なのに、海外で日本料理となると……。材料のこともありますが、一番頭を悩ませたのは、味付けに使う調味料でした。
   私が出向していたのはバブル景気の時代だったので、バンコク郊外には日本資本の工場がたくさんあって、日本人技術者も多く滞在していました。そのため、現地産の醤油や味噌が売られていましたが、日本のものと比べると味が濃かったり、どうしても自分の思う調味がしにくかったりしました。なので、醤油、味噌、味醂、酒、酢といった調味料は、一年間の使用量をおおよそ見積もって、日本から船便で送ってもらいました。
「築地」の店構えです。のれんに築地とあります。前の写真を拡大しました。

「築地」の店構えです。
のれんに築地とあります。
前の写真を拡大しました。

   バンコクには「タニヤ」といわれるロサンゼルスの「リトル・トーキョー」のような地域があります。ここに、日本と同じ味のにぎり寿司が食べられると有名な「築地」というお店があって、本校卒業生のF君が勤務していました。ある日、彼から電話があり、「日本から届く予定の米酢が届かず、翌日の寿司飯を合わせる分が足りないので、公邸の米酢を分けていただけないだろうか。」とのこと。卒業生の切実な訴えにワイン庫から米酢を20本用意し、大変恐縮した顔で取りに来たFくんに手渡しました。彼は「うちのお店に来る日本人のお客さんは日本と同じ味を求めて来られます。日本の米酢がないと、どうしても日本人好みの寿司飯はできないのです。」と言っていました。
   当時、現地の酢は、酢酸を水で薄めた合成酢ばかりだったので、私も自分の思う日本料理の味にはできませんでした。私がパーティー関係でこの酢を使ったのは、蟹酢などを盛り付ける「甲羅返し」という技法のときだけです。渡り蟹の甲羅を酢につけて軟らかくし、本来、膨らんでいる表側をへこませて、甲羅の模様が内側に来るようにして器として使うのです。この酢も日本料理には使いにくいだけで、現地のスタッフが作ってくれる料理には使われていましたし、私も大変おいしく食べていました。
   日本から送られる調味料は、亜熱帯の地域を1ヶ月船旅して到着します。薄口醤油はやや濃い色に変わっており、缶入りの白味噌は缶の中央が膨れ上がっていました。味噌の缶は製造年月日からは1月半ぐらいしかたっていなかったので、缶切りを突きさしてみました。と同時に「プシュッ!」と缶ビールを開けたような音がし、蓋を取ると中から茶色がかった白味噌が、スフレのようにずんずん盛り上がりながら出てきました。
白味噌には麹が多く含まれているため、船旅の間に醗酵が進み、こんなことになったのでしょう。もちろん貴重な調味料なので、味見をしてから使えることを確認し、最後まで使いきりました。
   日本では当たり前のことでも、海外に行くと通用しないこともあります。調味料は日本のものを取り寄せましたが、現地の食材をいろいろと工夫して料理できたのは、日本料理の基礎をちゃんと身につけていたからだと思います。
   その昔、日本ではタイなどの東南アジアを指して「南蛮」と呼んでいました。今回は、この「南蛮」という名前が頭につく「南蛮酢」の作り方を今回初登場の松島愛先生がご紹介します。


それゆけ!じゃぱに〜ずクッキング♪

このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 南蛮酢

タイ語の話せる日本料理のおとうちゃん
人物 小谷 良孝
  辻調の御言持(みことも)ち
人物 重松 麻希
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