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「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。 |
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味甚羹を重ねて流し、秋という季節の中でも、移り変わる自然を表しました。紅葉が重なり合って川に流れている様子を、錦玉羹の中に閉じ込めた練切の紅葉で表現しています。
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32春道列樹(はるみちのつらき)
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生まれた年ははっきりせず、920年に亡くなったようです。平安時代前期を生きた人です。百人一首の作者の中でもあまり伝記が伝わっていない人で、大学寮(官吏養成機関)で詩文や歴史を専攻した学生(文章生=もんじょうのしょう)であったことや、壱岐守(いきのかみ)に任ぜられていたのに、赴任前に亡くなったということくらいしか分かっていません。この歌を含め、5首くらいしか残っていませんが、詠みぶりは技巧に富んでいるといわれます。
歌の方は、
山の中の小川に風がかけたしがらみ(水の流れをせきとめるもの)は、流れて行くことのできない紅葉であったよ。
という意味です。
風によって小川に舞い落ちた紅葉が流れをせきとめている状態を、上の句を問いとし、下の句を答えとした、なぞかけのような歌だといわれます。紅葉狩りに行けば、時折見ることのできる風景です。こんな風景に出くわした時、この和歌を口ずさんでみてはいかがでしょう。作者の気持ちに少し近づけるかもしれません。
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