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「『古典』と『和菓子』だって?もう、いや!」と逃げ出さないでください。想像とおいしさとちょっぴり恋の世界を味わって頂きたいだけですから。百人一首の和歌を読んで私たちなりに解釈し、イメージを膨らませて作ったのがここにご紹介するお菓子です。和菓子の世界には、和歌や物語を元にして想像力を働かせ、作品に表現するという楽しさや遊びがあるのです。このページを通して、日本の良さを見直して頂けたらうれしく思います。 |
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『雲のいづくに月やどるらむ』を主張したくて
雲を東雲羹(羊羹にメレンゲを合わせたもの)で表現し、
黄味餡で雲間のどこかに隠れている月を
ほんの少しのぞかせてみました。
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36 清原深養父(きよはらのふかやぶ)
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平安時代の歌人。随筆『枕草子(まくらのそうし)』の作者として有名な、清少納言(せいしょうなごん)のひいおじいさんにあたり、紀貫之(35番の歌の作者)と親しかったようで、平安時代に成立した『古今和歌集』の代表的な歌人のひとりです。また、琴の名手でもあったようです。詩が書けて楽器も上手く、知識人。現代の人にたとえるなら、どんな人になるでしょう。
歌の訳は
夏の夜は、まだ宵(よい=日が暮れて間もない頃)だと思っていたら、もう明けてしまった。こんな短い夜だから、月は、本来宿るはずの西の山にまで辿り着けないで、どの雲に宿るのだろうか。
外国語を日本語に訳すとき、直訳すると意味が通じにくい場合は、少し説明を加えて訳します。でも、そうしたがために、せっかくの原文の美しさやリズムの良さが失われてしまうことがあります。この和歌を現代語訳すると、まさにその状態になってしまうように思えます。意味が分かったところで、原文をどうぞ声に出して読んでみてくださいね。 |
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