立嶋: 「栗の季節、到来っすよ。」 |
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加納: 「はぁー(ため息)、最近思うんだけどさぁー、岐阜から大阪に出てきて、はや10年。果物も野菜も年中スーパーに出回ってて、季節感感じられなくなったんだよねぇ……。」 |
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立嶋: 「……(あれれっ?やっぱり秋は感傷に浸りやすいのかな?それに10年以上だし……)まぁ、確かにそうっすね。僕は先生と違ってずっと都会育ちじゃないっすか。先生みたくじかに収穫で季節を感じるなんてないんですよねぇ。けど、菓子屋に『新栗入荷しました!』なんて書いてあるのを見ると、秋到来って思いますよ。」 |
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加納: 「ふーん。」 |
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立嶋: 「『ふーん』って、今、都会で季節を一番大事にしているのは和菓子屋っすよ!そう僕は思います(なんて熱く言ってみたりして)。」 |
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加納: 「ちょっと!いい事言うねぇ。ずいぶんやる気出てきたわぁ。食欲の秋って感じ!」 |
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立嶋: 「ではさっそく、今回栗がたくさん手に入ったので、保存が出来る渋皮煮を作ろうと思うんですが。」 |
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加納: 「おっ、いいねぇ。おいしいよね渋皮煮。ちょっと手間がかかるけど、あのおいしさ一口食べたら、苦労なんて飛んじゃうよ。」 |
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立嶋: 「たしかに手間はかかりますが、一度作ってビン詰めすれば日持ちもするし、裏漉しするとモンブランとか洋菓子にも使えるし、ほんと使えるやつですよ。鬼皮むく時、手を切らないように気を付けて作って下さいね。」 |
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加納: 「立嶋君が一番危ないんじゃない?経験あるし!」 |
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立嶋: 「先生、それだけは。忘れたい過去なんですから。」 |
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重松: 「加納先生、立嶋先生をいじめちゃだめですよ。私、栗ってあんまり好きじゃないんですけど、先生方の作られる渋皮煮はとてもおいしいですよねぇ。砂糖はたくさん入りますが、栗のうまみが生きていますよね。」 |
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