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連載コラム とっておきのヨーロッパだより
辻調グループ校には、フランス・リヨン近郊にフランス料理とお菓子を学ぶフランス校があります。そこに勤務している職員が、旅行者とはまた違った視点から、ヨーロッパの日常生活をお届けします。
最高の鶏をもとめて
フランスは酪農が盛んな国で、野菜や果物、肉、乳製品など、種類が豊富で美味しい。中でも、世界にその名を馳せているのはブレスの鶏ではないだろうか。この鶏を飼育しているブレス地方の中心地ブル・カン・ブレスはリヨンから北へ約40キロ、電車で約1時間の距離にある。そこで飼育と屠鳥と両方をしている生産者を訪れて見学させてもらいました。

フランスの家禽の中でAOC(原産地管理呼称)を名乗ることが出来る唯一のものがブレスの鶏です(正確に言うと、ブレス産の七面鳥もAOCを認められている)。これはブレス地方でブレス・ブランシュという羽が白く、足が青い種類を、一定の飼育方法で育てたものをいいます。一般には若鶏(1.2キロ以上)ですが、若鶏よりも時間をかけて大きく育てる肥育鳥(1.8キロ以上)、さらに大きく育てるシャポン(去勢鶏。3キロ以上)の3種に分けて飼育しています。ブレス産なら若鶏でも十分ごちそうですが、シャポンはとくにクリスマスのごちそうとして好まれ、私たちが訪れたのは年末に近い時期だったため、若鶏とシャポンの仕上げに追われていました。


飼育方法は、生後35日目から草場で9週間以上放し飼いにし(肥育鶏は11週間以上、シャポンは23週間以上)、8日以上ケージに入れて仕上げをして屠鳥します(肥育鶏とシャポンは4週間以上)。肉の質を決めるのは飼料で、穀物の粉、とうもろこし、乳製品などを与えます。また、ケージや草場の広さに応じて、飼育数が限定されます。


シャポンは飼育数も少なく、高級品であるため、ていねいに仕上げをして出荷しています。鶏の屠鳥の方法は、鶏を固定して口の中にナイフを入れて殺し、血抜きをし、すぐに機械にかけて羽をむしり(湯につけずに)、残り毛を手でていねいに除きます。シャポンの場合は、残り毛を取り除いた後、きれいに処理して布でしっかりと包み、冷蔵庫で2日間吊しておきます。仕上げは、AOCで認められたブレス産であることを記すトリコロールの印とラベルを付け、連番を打った足輪をつけて出荷します。シャポンの場合、年中出回りますが、やはり需要が多い年末のクリスマスを目指して育てることが多く、そのためには、最低32週間かかりますので、4月頃から飼育を開始します。


私たちのフランス校でも毎年クリスマスにはシャポンのローストを賞味することにしていて、ここブル・カン・ブレスまで買いに来ます。肉は白く、肉全体に脂肪が入っていてとても柔らかく、格別のおいしさです。ブレスの鶏だからといって特別な料理法はありませんが、すぐ近くのブルゴーニュ産の赤ワインをふんだんに使って煮込んだコック・オ・ヴァンはこの地ならではの美味しさといえるでしょう。


コラム担当

フランス校調理部
人物 山本 尚広
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