辻調グループ

コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
辻調グループ 最新情報はこちらから
Column&Recipe
コラム&レシピTOP
西洋料理
日本料理
中国料理
世界の料理
洋菓子
和菓子
パンとドリンク
日欧食べ物だより
こだわりレシピ検索
パンとドリンクTOPへベンチタイム コラム一覧へ
連載コラム ベンチタイム
このコラムは「家庭でできる美味しいパン作り」をテーマに、簡単に手に入る道具や材料を使ったパン作りを紹介します。パン作りの面白さに引かれた三人の会話の中で、作り方のポイントや秘訣を伝授。タイトルの「ベンチタイム」はパン作りに大切な生地を休める時間のこと。気楽に作れるパンをイメージしてつけました。
自宅で作る“サクサク”クロワッサンを伝授します!!
自宅で作る“サクサク”クロワッサンを伝授します!!
クロワッサン
松田(以下M): さて、今回はバターと生地を幾重もの層にしたパイ生地の要領で作るクロワッサンを紹介します。歴史は古く、1683年までさかのぼります。
ウィーンとオスマン帝国の戦争で、ハプスブルグ家の守備隊と協力的な市民が参戦した結果、トルコ軍を撃退することができた。その記念すべき勝利を忘れないために、トルコの旗印を模った食べ物を戦功のあったパン屋に作らせ、でき上がったのがクロワッサンの原型と言われています。
後にマリーアントワネットがルイ16世に嫁ぐ際、フランスに持ち込まれ発展したと言われており、現在のようなクロワッサンの姿になったのは1920年頃のパリで考案されたもので、製品としての歴史は90年ほど経っています。


福知(以下F): クロワッサンは人気のあるパンですよね!
朝食にクロワッサンとカフェオレを出したら、おしゃれで格好いいな〜!!

古村(以下K) : 器も凝ってカフェオレボールなんかあるとお洒落ね〜!
よく考えると、私が幼い頃はクロワッサンを食べる機会はなかったなぁ!今ではポピュラーな食べ物だけど、歴史的なでき事を記念して生まれ、進化して来たんだね。
「トルコの旗印から生まれたのか〜」


M : 伝統的なパンには誕生のきっかけやエピソードが色々あって、調べて行くと時代を垣間見ることができます。ところで皆さん、クロワッサンの形に2種類あるのをご存知ですか?!スーパーで見かける「三日月形」のものと、パン屋さんやお菓子屋さんで売っている「菱形」のものです。

K : ん?二種類の形って?? 普段意識していなかったな〜。何か違いがあるのですか?

F : ハ〜イ!!フランスでは「三日月形」の物はマーガリンが折り込まれていて、「菱形」の物はバターが折り込まれているのです!折り込んでいる油脂で形を分け、消費者が分かるようにしてあげているのです。面白いですよね〜!!

M : 福知先生ありがとうございます!フランス食文化がクロワッサンを大切にしていることが分りますね!! さて、クロワッサンを作るにあたり何か確認しておきたい事はありますか?

F : ハイっ! クロワッサンは折り込み作業の間、冷凍庫で休ませているのはどうしてですか?冷蔵庫ではいけないのですか?!

M : 理由は二つあります。一つは、冷蔵庫(5℃)だとイースト菌が活動し、パン生地層が膨らんで、折り目を荒らしてしまいます。二つ目に、折り込み作業を行うあいだ、バターがパン生地になじまないように状態を保つ必要があります。発酵を止め、バターの状態を考えながら冷凍庫で冷やし、凍らないように管理して行う必要があります。

K : そうか、冷蔵庫の温度ではパン生地は膨らむんだ!!そう言えば、バターを包む前の生地は一晩冷蔵庫でねかせますが、翌日見ると確かに膨らんでいました。

F : イースト菌が活動できる温度帯って結構広いのですね。しかも冷凍しても生きているなんてびっくりです!

M : イースト菌が活動する温度は4〜40℃位で、もつとも適した温度帯は25〜35℃です。4℃以下では活動が停止し、60℃で死滅します。また、0℃〜−40℃の範囲で休眠状態になり、それ以下だと細胞が壊れ死滅するイースト菌も出るようです。

K : では、イーストを溶く液体が沸騰して蒸気が出るほど熱いのは、あり得ないことなのですね。

M : 全てのパンに共通することで、40℃以上の液体でパン生地は仕込まないで下さい。冬場、どうしても冷たく捏ね上がる場合は、温めた容器に薄く広げてみるなど、熱伝導を考えて発酵させて下さい。様子をみて発酵時間の延長を検討するのもいいでしょう。

F : 成形後の発酵で注意する点はありますか?

M : 成形後はバターが溶けない様に注意して下さい。せっかく折り込んだバターが溶け出してしまうと、クロワッサンとしては失敗です。生地に折り込まれたバターは32℃以上で溶け出します。発酵の温度は30℃を目安にして下さい。

K : そろそろ成形の時間です!包丁と定規(50cm)の準備はできています。

F : 生地も状態よく冷えています!早速、伸ばす作業に入ります!!

M : 目標の幅と厚さに手早く伸ばして下さいね!時間が掛ってしまうとバターが溶けてベタベタになります!!成形時の作業性も悪くなり、製品のクオリティーも落ちてしまいます。状態が悪くなったら、迷わず冷凍庫で冷やして下さい。
「ラップなど掛けて生地が乾燥しないように注意して下さい」


F : 先生!薄く伸ばすにつれて生地がベタベタしてきました!

K : そろそろ冷凍庫で冷やしましょう!

M : 生地の状態を一番に考えて作業して下さいね。私はオーブンの準備をしておきます。クロワッサンを上手に焼成するポイントは、事前に温度をしっかり上げておき、13〜15分かけて焼き上げることです。

F : 冷凍庫で生地を休めている間、クロワッサンに塗る溶き卵を準備しておきます。

K : 焼き上がりが待ち遠しいです!早く成形しましょうよ!!

M : 待つ事もパン作りには大切な仕事です!おいしいパン作りに近道はありませんよ!!

FK : 「はい!」

ベンチタイム



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ クロワッサン

ゼンメル松田
人物 松田 哲治
クリームパン福知
人物 福知 ゆかり
菓子まし娘
人物 古村 亨子
このページのTOPへ
 
辻調グループ校 Copyright(C) 2003-2004 TSUJI Group