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このコラムは「家庭でできる美味しいパン作り」をテーマに、簡単に手に入る道具や材料を使ったパン作りを紹介します。パン作りの面白さに引かれた三人の会話の中で、作り方のポイントや秘訣を伝授。タイトルの「ベンチタイム」はパン作りに大切な生地を休める時間のこと。気楽に作れるパンをイメージしてつけました。 |
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松田(以下M):
日本生まれのオリジナル。今回は、「メロンパン」を紹介します。パン生地に配合される砂糖が、小麦粉に対し25〜30%ともっとも多い部類に入り、さらにクッキー生地で包んで焼き上げるので、文字通りお菓子のようなパンに仕上がります。その独特の姿と食感が多くの日本人に愛され、話題の尽きない不思議なパンです。
福知(以下F):
こんなに砂糖の配合が多い生地は欧米にもありますか?
M :
代表的な物に、ヨーロッパでは「クグロフ」があげられます。また、アメリカの
スイートロールやコーヒーケーキなども多く配合されていますね。
F :
ず〜っと気になっていたことなんですが、メロンパンってメロンが入っていなくてもメロンパンなんですよね、なぜですか・・・・?
M :
メロンパンがメロンパンたる由縁ですが、表面の模様がメロンに似ていたから、という説が定説のようですよ。
古村(以下K) :
そうか〜なんとなく形からだとは思っていました。いつだったかTVで、北海道のパン屋さんが本当にメロンを使ったメロンパンを紹介していました・・・・
F :
メロンを使ったメロンパンは食べたことがあります。クリームが入っているタイプのものですが。
K :
食べて見た〜い!!
M :
10年ぐらい前から、実際にメロンの果肉やジュースを使った製品が現われ、メロンパンブームが起こったときは、行列を作って買い求める姿が報道されていましたね。
K :
そう、メロンそのものも流行りだったのかな。東京の某ホテルでメロンのショートケーキを見かけました。そちらは高価で手がだせなかったな〜。話は変わるけど、大阪で移動販売の車でメロンパンを買った事があるけど福知先生は知ってる?
F :
大阪の移動販売!知っています!!以前住んでいた近くでも販売していました。オーブンがクルマに積んであって、焼き立てを買えるというものですよね!?買ったことはないのですが・・・・。
M :
関西では20年ぐらい前から在ると思います。近頃ではフランチャイズ展開して話題になりましたね。ところで、関西ではメロンパンのことを「サンライズ」と呼ぶ地域があることを知っていますか?表面の模様を日の出をイメージした放射状のラインにしてサンライズと呼んでいるもあります。
F :
あっ!そういえば、一部のお店は「サンライズ」で売っていました!!色々な呼び名があるんですね。
M :
ちなみに神戸や京都では、本来は今回作っているような円形で格子模様のものをサンライズといい、メロンパンといえばまくわ瓜の形(コッペ形で筋模様)で白あんが入っているもののことだそうです。
F :
あれれ、逆にそれを「サンライズ」っていって売っているお店もありました・・・・。
K :
本当に話題の尽きないパンですね。作るのが楽しみです!
M :
今回は加糖中種法でメロンパンを作りますよ。
K :
加糖中種法は、食パンのときにやった中種法とは違うのですか?
M :
基本的に同じですが、極端に砂糖が多い生地は浸透圧が上がり、イーストの活動に影響が出るため、不安定な生地になりがちです。そこで分量の砂糖を一部中種に加え、発酵力と耐糖性を高めてから生地をこねる加糖中種法が発明されたのです。
K :
ずいぶん科学的ですね。
M :
おいしいパンを作るためにはイーストや材料のことを理解しておくことも大切です。
F :
パン作りって、けっこう深いですね〜。そろそろ準備をはじめますか!?
M :
あ!もう一つ。砂糖が多い生地はべたべたして作業性が悪いので、手粉を使い過ぎないよう注意して作業して下さいね。
K・F :
ハイ!よろしくおねがいしま〜す!!
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