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このコラムは「家庭でできる美味しいパン作り」をテーマに、簡単に手に入る道具や材料を使ったパン作りを紹介します。パン作りの面白さに引かれた三人の会話の中で、作り方のポイントや秘訣を伝授。タイトルの「ベンチタイム」はパン作りに大切な生地を休める時間のこと。気楽に作れるパンをイメージしてつけました。 |
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松田(以下M):
今回は、食パンを作ります。食パンと言われて思い浮かぶのは四角形の食パンかな?よくスーパーなどで切り売りされているよね。この形を別名、プルマンタイプ、もしくはプルマンブレッドpullman breadなどと呼ぶこともあるんだ。
福知(以下F):
プルマンブレッド・・・・。初めて聞きました。 なぜ「プルマン」と言う呼び方があるんですか?
M:
プルマンと呼ぶ四角の食パンが誕生したきっかけについて、こんな話があります。19世紀のはじめごろのこと。欧米では鉄道が普及し、食堂やもちろん厨房など、さまざまな設備のついた快適な寝台車が走るようになりました。その列車内で、当時一般的だった山形食パンを焼こうとしたところ、狭い車両のオーブンでは頭がつかえてしまい、うまく焼けず、苦肉の策でフタをして焼いたのが始まりとか。
また別の話では、パン工場などで大量生産向きに合理化するため、フタをして焼きはじめたのだとか。いずれの話も、その形が寝台車両にそっくりな事から、車両メーカーであるアメリカのプルマン社にちなんで、プルマンタイプなどと呼ばれるようになったようだよ。
古村(以下K):
日本での「食パン」と言う名前は、何かを略しているように聞こえるんですが何かご存知ですか?
M:
何かの本で読んだのですが、主食用のパンが略されて「食パン」になったと書いてありました。
F:
いろいろな説を聞きますが、日本で1番定着しているパンが「食パン」なので、わたしも「主食用のパン」から来た説が正しいとおもいます。
M:
さて、今回は中種法という製法で食パンを作ります。
K:
中種法って?
M:
前回紹介したテーブルロールは、全ての材料を一回でこねる「ストレート法」で作ったけど、それは小麦や素材の風味を一番よく生かす製法なんですよ。
今回の「中種法」というのは、一部の小麦粉とイースト、水だけでまず「中種」をこね、時間をかけて生地を熟成させます。それから残りの材料を加え、もう一度生地をこねてパンを作る方法ですね。
発酵にじっくり時間をかけて作るから、生地を作って焼き上がるまでに5時間半はかかりますが、安定して柔らかくボリュームよくでき上がる製法なんですよ。気長にかまえて、途中お茶でも飲みながら楽しく作業しましょう。
K:
ところで松田先生、今回の食パンはどちらの形で作りますか?
M:
プルマンタイプも良いけど、窯伸び良く焼ける山形の食パンの方が「サクふわ」でおいしいので、山形食パンを作りたいと思いますが、いかがですか?
K:
「サクふわ」??おいしそうですね!賛成です。山形食パンでいきましょう!!
F:
それじゃー計量はじめますか!
M:
時間のかかる製法だから、気合入れて、でも気楽につくりましょ。
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