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このコラムは「家庭でできる美味しいパン作り」をテーマに、簡単に手に入る道具や材料を使ったパン作りを紹介します。パン作りの面白さに引かれた三人の会話の中で、作り方のポイントや秘訣を伝授。タイトルの「ベンチタイム」はパン作りに大切な生地を休める時間のこと。気楽に作れるパンをイメージしてつけました。 |
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松田(以下M):
今回、皆さんに紹介するパンは「ツォップフ」です。
ドイツ語でZopf[ツォップフ]は、女性の編んだ髪を指し、パンに用いられた時に“編みパン”の意味になります。
古村(以下K) :
ドイツパンを売っているパン屋さんで、時々見かけますが「ツォップフ」って名前だったんだね。日本ではあまりメジャーではないですよね!?
福知(以下F):
私はパン屋さんのショーウインドウで、編みパン細工を綺麗にディスプレイされているのを見たことがありますよ!
M :
最近あまり見かけなくなりましたが、三つ編みパンは比較的よく作られていますよ!しかし、成形に手間と技術が要るので、店頭に並ぶ姿はあまり見かけないですね。それでもドイツ本国のパン屋さんでは、どの店でも当たり前の様に店頭に並んでいます。編みパンの起源は古く、古代ギリシャやローマ時代までさかのぼり、三つ編みが装飾的なパンの技術に取り入れられるようになってヨーロッパ各地に広がり、フランスやドイツをはじめ、北欧からロシアに至るまで、多くの国で編みパンは作られています。
K :
「ツォップフ」は、ドイツだけのパンじゃなかったんですね!ヨーロッパ各地で作られているなんて、けっこうメジャーじゃないですか。
M :
そう、フランス、サヴォワ地方の編みパンは有名で、Tresse[トレス]と呼ばれており、ドイツ語でも[ツォップフ]の他にFlechten[フレヒテン]とも呼ばれることもあるようです。
F :
ずいぶん前の話ですが、ドイツの編みパンを紹介した本の中で、1本編から8本編までの編み方を写真で詳細に解説してあったので、実際に編んでみたことがありますが、5本編みまでは出来たのですが、6本編み辺りからお手上げでした。その他にも編みパンを駆使した人形や壁掛けなど、数多く紹介されていましたよ!
M :
三つ編み以上の本数を編むパンは大型になるため、作られる機会は少ないようです。
店のディスプレイがもてはやされる最近のパン屋さんでは、編む技術は食べるパンより装飾パンに欠かせなくなってきているようです。
そもそも編みパンは、祭事や特別な日に焼かれていた特殊なパンたったようです。歴史的な埋葬品や工芸品などに描かれた絵から、祭事には編んだパンを作っていたことが推測できます。また、埋葬品の中に女性の編んだ髪を入れる習慣があったことも知られており、それがいつの頃から編みパンに変わっていったようです。
K :
へー!やっぱりヨーロッパのパンは、奥が深いですねー・・・・。
ツォップフの計量、そろそろ始めますか!?
F :
先生!ツォップフを作るにあたり、なにか注意することはありますか?!
M :
ありますよ〜! 生地を捏ねる際、ミキシングの最後にレーズンを加えますが、均一に混ざるよう、心掛けて下さい。
K・F :
ハ〜イ!
M :
まだありますよ! 成形で生地を棒に加工するときは、しっかりガスを抜き、引き締った状態にして下さい。ぷくぷく、ふわふわの棒はいけません!
K・F :
ハイ!!
M :
それと、編む作業を始める前に、とじ目を揃えて下さい。作業中も意識して、とじ目が揃うよう、編み上げて下さい。加えて、生地を引っ張って編まない様にすること!発酵中に生地が縮み、それを焼成すると編み目が裂けて焼き上がるので、クオリティーの低い製品ができてしまいます!
F :
了解で〜す!!
K :
早速、小麦粉の計量します。
M :
私はレーズンを計量するので、福地先生はオーブンやホイロの準備をお願いします!
F :
ハイッ!!
M :
今回も上手く焼き上がるよう、計量は正確に行って下さいね!
K・F :
ハ〜イ!「よろしくおねがいします」
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