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連載コラム ビバ!!ベバレッジ
人間は水を口にしないと数日しか生命を維持できません。何でも体の70%以上が水分だとか・・・・それはさておいても、おいしい料理には、おいしい飲み物をあわせたいものです。もちろん食事中だけではなく、寒い日には一杯のコーヒーで体を温め、夜の静寂にもの思う時はブランデーをチビリチビリ。はたまた友人との愉しい会話を盛り上げる生ビール。夫婦で想い出話をする時のダージリンティー・・・・さまざまな場面で皆さんの傍らに、さりげなく登場するのはどんな『飲みもの』でしょうか。このコラムではそんな『飲みもの』の素顔にスポットを当てていきます。決してミズ臭い話ではありません。 チャんと読んでください。
カクテルはどうやって作る??
    これまでに筆者・中谷が趣味に走って書いた「今宵の飲み物 ドライ・マティーニ」、「カクテルレシピは2:1:1」に続き、懲りずに3回目のカクテルのお話をお送りしたいと思います。すでに3回…周りからは「原稿作成とは建前で酒ばっかり飲んでんじゃないの!」と非難ごうごうなので、今回は少し基本的に、カクテルの作り方とその特徴についてお話ししましょう。
   さて、カクテルの作り方ってどんな方法があると思いますか?
イメージとしては、バーテンダーがシェーカーを華麗に振る「シェーク」、飲むグラスに直接注いでいく「ビルド」の2つが思い浮かぶと思いますが、他にも大きなグラスの中で混ぜる「ステア」、フローズンカクテルを作るときに用いる「ブレンド」と合計4つもの手法があります。
   それでは各手法のメリット、デメリットについて話していきましょう…おっと!その前に、カクテル作りにとって重要なことを覚えておいてください。どんなカクテルでも次のことを守らなくては美味しくなりません。それは「水っぽいカクテルは失敗だ。」ということです。ほとんどのカクテルを作るときに氷を用いるので、いかに氷を溶かさないかが重要ポイントなのです!!!
   プロがカクテルに使う氷は、硬い氷に一度水をかけて洗ってから使用します。これは、氷の表面についている細かい氷の粒が溶けてカクテルが薄まるのを防ぐためで、洗うことで溶けやすい細かい氷を先に取り除いておくのです。皆さんも炭酸ジュースを飲む時にやってみてください。グラスに注いだ瞬間に炭酸が細かい氷に反応して泡になってあふれるのを押さえる効果もあります。
   それでは、カクテルの作り方を見ていきましょう。

1. シェーク
シェーカーは指先で持ちます

シェーカーは指先で持ちます

   カクテルといえばやはりシェーカーを振って作るイメージが強い思います。この技法は混ざりにくい材料を混ぜ合わせるときに用います。カクテルは通常、お酒とジュースやシロップなどを混ぜることが多く、それらには比重の違いがあります。水を中心に考えると、アルコールは水より軽く、シロップやジュースは糖分を含むので水より重くなります。つまりこれらの材料は互いに混ざりにくいのです。また、粘度の強い卵白や、脂肪分が多くて比重の軽い生クリームなどを使ったカクテルは、通常より強くシェークしなくては混ざりません。シェークの特徴は「混ざりにくいものを混ぜ合わせる」手法です。また、シェーカーの中では液体、氷、そして空気が攪拌されるため、液体の中に空気が含まれて「口当たりを柔らかくする」効果もあります。しかし下手な振り方をすると氷が砕け、水っぽくなりやすいというデメリットも併せ持っています。
   基本的な振り方はシェーカーの軌跡が横から見て < となるように上下2段に大きく腕を伸ばして振ります。また、腕を伸ばしたときに氷がシェーカーの底に当たらないようにして氷を砕かないように注意します。
   ピンク・レディー、マルガリータ、エックス・ワイ・ジー、ホワイト・レディー、バカルディ、グラス・ホッパーなどがこの方法で作られます。
   レシピ例:ブルー・ムーン、アレクサンダーズ・シスター

手元に持って・・・   腕を大きく伸ばして振る

手元に持って・・・

 

腕を大きく伸ばして振る


2. ステア
   ミキシンググラスに氷とお酒を入れ、バースプーンで静かにステアリングして(回して)お酒を冷やし、ストレーナー(漉し器)で氷を漉しとってグラスに注ぐ方法です。これは静かに行う作業のため、あまり氷を溶かすことがないので、お酒の本来の味を味わうことが出来ます(「今宵の飲み物 ドライ・マティーニ」、のコラムもご参照ください)。バースプーンは手や腕で回すのではなく、指先で回し、バースプーンのスプーン部の背の部分がいつもミキシンググラスの内側を沿って回るようにし、柄の部分の軌跡が円錐を描くようにします。

スプーンの背は常にグラスに沿わせます   スプーンの柄は円錐を描くように

スプーンの背は常にグラスに沿わせます

 

スプーンの柄は円錐を描くように


   ちなみに「シェークとステア、どちらが難しいか?」とよく質問を受けますが、私はステアのほうが難しいと思います。シェークももちろん奥は深いのですが、ある程度の練習でそれなりに見栄えを持たせることが出来ます。
グラスに注いで出来上がり

グラスに注いで出来上がり

しかしステア、特にドライ・マティーニは、ドライ・マティーニ好きに言わせると「回している最中に氷の当たる音がするだけで水っぽくなる」そうです。ここまで来ると、もはやドライ(辛い)マティーニ中毒です。でも、本当にトップバーテンダーがステアを行うと、氷と液体とバースプーンがミキシンググラスの中で滑る音しかしないのです!!もちろん素晴らしくシャープで冷たいマティーニになります。
   マティーニ、バンブー、マンハッタンなどがこの方法で作られます。
   レシピ例:マティーニ

3. ビルド
バースプーンの回し方はステアと同じ

バースプーンの回し方はステアと同じ

   グラスに直接お酒類を注ぎ、バースプーンで混ぜる方法です。もっとも手軽な方法なので、自宅でカクテルを作るのに向いていると思います。ステアほど厳密ではありませんが、バースプーンの使い方はステアと同じなので、バースプーンでお酒を混ぜる練習は必要です。
   スプモーニ、カシス・ソーダ、モスコミュ−ル、チャイナ・ブルー、ソルティー・ドック、ファジー・ネーブル、スクリュー・ドライバーなどがこの方法で作られます。
   レシピ例:スプモーニ


4. ブレンド
フローズン・ダイキリ

フローズン・ダイキリ

   ブレンダー(ミキサー)に氷とお酒などを入れて混ぜる方法です。ブレンダーを使うとカキ氷のようなフローズンカクテルができます。細かい氷が目詰まりしても飲めるように、2本さしてあるストローを2本ともくわえて飲んでください。
   フローズン・マルガリータ、フローズン・マタドール、フローズン・ストロベリー・ダイキリなどがこの方法で作られます。
   レシピ例:フローズン・ダイキリ

   さて、カクテルの4技法、おわかり頂けましたでしょうか?次回は半年後になりますが、今回の続編、酒の比重を利用したカクテルを紹介したいと思います。次回もおたのしみに。


このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ スプモーニ
レシピ ブルー・ムーン
レシピ アレクサンダーズ・シスター
レシピ フローズン・ダイキリ
レシピ マティーニ

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中谷聡博
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