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連載コラム 半歩プロの西洋料理
「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
居酒屋メニューといえば!!
 さぁ、皆さんの居酒屋のイメージはどのようなものでしょうか?仕事帰りのサラリーマン∞陽気に騒いでいる若い人たち∞ビールに軟骨唐揚げだぁ≠ネどなど、それぞれにいろいろなイメージがあると思いますが、フランスにも居酒屋と呼ばれる場所があります。「ええぇ!」って驚かれた方、もちろん、熱燗頼んで、つまみにするめの焼いたんでちょいと一杯・・・なんて場所ではないのであしからず。
  最近、ビストロ、という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。とあるワインの名前であったり、カレーの名前として知っているとか、少しなじみのある言葉になってきているように思われます。このビストロBISTROTという言葉はフランス語で、辞書を引いてみると、「居酒屋、簡単な料理を提供する居酒屋、ビストロ」と記してあります。そうなのです、ビストロと呼ばれる場所が日本の居酒屋にあたるのです。
  では、フランスのビストロはどんな雰囲気の居酒屋で、どんな料理を出すのでしょうか。先ほどの辞書の説明では・・・、えぇ、なんとも優秀な辞書を参考にしてしまいました。これだけで理解で出来た方は素晴らしい。では、この私が、もう少しわかりやすく解説していきましょう。
  ビストロという言葉の誕生ですが、時は、1814年頃、ナポレオン敗北後にパリ駐屯のロシア兵から発せられたことばが起源です。彼らは酒場への出入りを禁じられており、監視の目を盗んでは「ビストロ、ビストロ!(早く、早く!)」と叫んで、一杯ひっかけてさっそうと姿を消していたという一説があります。
  ビストロは、なによりアルコールを主体に飲む場所で、レストランとは違い、肩肘はらずに、気楽にワインのグラスを傾けながら、美味しくて、しかも安い料理が味わえます。お客さんは、若いカップル、友人たちのグループ、仲の良さそうな老夫婦など。そして、テーブルのあちらこちらで湧き起こる談笑がこのお店全体の雰囲気を心温まるものにしています。
 写真(下の左)は、フランスはリヨンの町のほぼ中心あたりのメルシエール通り。これぞビストロ街と呼びたくなるほど、狭い通りの両側にはビストロが並んでいます。
 これらのビストロで出される料理は、写真(下の右)のように大量に盛られたムール貝、それに負けずに大盛りのじゃがいものフライなど・・・、もうこれでお腹いっぱいになりますよね。これにきりりと冷えた白ワインがあれば、もう何杯でもグイグイ飲めちゃいます。酒好きにはたまらないですよね 。
  さて、ビストロ料理のなかでも定番メニューにステック・フリット(ステーキとフライドポテトの盛り合わせ)があります。あるフランス人に、「最後の晩餐には何を食べたい?」という質問をしたら、この料理名が返ってきました。私がフランス人と明け方まで飲んでいた時、日本なら〆にはお茶漬けですが、フランス人は朝方にこのステック・フリットを皆で食べるほど慣れ親しんだ大好物なのです。牛肉を焼いて、フライドポテトを添えるだけなら皆さんも出来るでしょうから、それにほんのひと手間加えた料理を紹介しましょう。
 ではワインを片手に、Bon appetit!



このコラムのレシピ

コラム担当

レシピ 牛肉のステーキ、エシャロットソース

酒好きハスラー
人物 三浦 和也
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