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「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ!
今回ご紹介する「鶏肉のフリカッセ」はどんな料理かひと言で言うと、「鶏肉のクリーム煮」になると思います。鶏肉のクリーム煮と聞くと、ホワイトシチューに鶏肉が入った感じかな、くらいに思われると思いますが、れっきとしたフランス料理の一つであります。
私がこの料理を初めて口にしたのは、ちょうど辻調に学生として通っている時でした。元からクリーム、バターをたっぷり使ったこってりしたものが好きな私ですが、柔らかく煮込まれた鶏肉にクリームソースがからみ、そして付け合わせのバターライス、小玉ねぎ、シャンピニョンが口の中で渾然一体となるフランス料理の美味しさに感激したのを覚えています。
それからというものフランス料理の魅力に引かれ、辻調を卒業後フランス校で本場フランスの食材を使い、調理し、また休みの日は各地のレストランに食べ歩きに行くといった貴重な一年を経験しました。レストランでは食事をするだけでなく、店内や厨房の中を見せていただいたりしたこともとても勉強になりました。また私は大の乳製品好きなので、いろんな種類のチーズを少しずつ食べれることも楽しみの一つでした。
3つ星レストランの厨房
レストランで出されるチーズ
(ほとんど味見しました!)
半年間のフランス校生活を終了するとレストラン研修に出ます。私はボルドーから電車で東に1時間30分程行ったペリゴール地方のトレモラという村にあるレストランで研修しました。村の人口は600名くらいで、一軒の小さな食料品店とタバコ屋、教会があるだけの本当の田舎だったので、時間があるときは小高い山の頂上まで登ってフランスの広い空を眺めたり、近所の人が飼ってる羊を観察したりと、緩やかな時間が流れる毎日でした。
いつもこんなに暗くなるまで空を眺めて
いたわけではないのですが・・・
研修先のレストランでは、朝仕事が始まる前にバゲットにバターとジャムを好きなだけぬり、そして牛乳がたっぷり入ったカフェオレを飲んでいました。こうして文字で表わすと日本で食べているものとなんら変わりはないようですが、フランスで味わった朝食は、発酵バター独特の芳香やコク、牛乳の味の濃さとほのかな甘みが何ともいえず、私にとっては最高のものでした。他に生クリームも大好きなので厨房で料理を作りながら味見といいつつよく食べたりしていました。フランスで暮らしていた一年間で一体どれくらいコレステロールを摂取したんだろう?と思うときもありますが、今となってはいい思い出です。
このような生活から6年たちましたが、今でも時々、クリーム、バターをたっぷり使ったものが食べたくなります。そんな時は、身近にある材料で作ることのできる鶏肉のフリカッセがフランスでの幸せだった日々を思い出させてくれます。
これから本格的な冬が訪れて寒くなります。このフリカッセでも食べて体も心も温かくなり、フランスを少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
このコラムのレシピ
コラム担当
鶏肉のフリカッセ
ちえざいる
三宅 知絵
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