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「半歩プロ」をテーマに家庭でできる西洋料理を紹介するこのコラム。まずは個性豊かな担当シェフの声をどうぞ。「フレンチって難しくないよね」「語るで〜!」「対談がしたい!」「研修先のレストランではなー」。えー、お話し中すみません、それは「家庭でできる」料理なんですよね?みなさーん、聞いてますかー?だからテーマがあるんだってばっ!守って下さいよ〜っ! |
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昨今のイタリア料理ブームで日本でも様々なイタリア料理が紹介され、現地で修業したシェフたちがレストランのメニューではもちろん、料理専門誌やファッション誌などでもイタリアの地方料理や地方菓子を紹介しています。
イタリアの料理といえば、まず真っ先にパスタを挙げる人が多いと思いますが、実はパスタ料理だけではなく、日本と同様に米を食する国でもあります。そしてヨーロッパの中でも有数の米の生産地です。中でも米料理の代表といえばリゾットで、最近ではコンビニやスーパーマーケットなどでも「日本人ってこんなにリゾットを食べた?」と思うぐらい色々なリゾット商品を見かけるようにもなりました。
先日、イタリア人の知人と日本米とイタリア米の違いについて話をしました。彼女の出身地はイタリアの米どころヴェルチェッリ。ヴェルチェッリはピエモンテ州の町で、イタリア映画『苦い米』でも有名な所です。彼女にとって、日本人の主食である「ご飯」にはどうしてもなじめないとのことで、あの粘った感じが嫌いなようでした。確かにイタリアで良いとされているのは粘りの少ない米で、炊くというよりは煮る・茹でるといった調理法が多く、私たちがいい香りと思っている炊き立てのあのご飯の香りはイタリア人には理解しにくいのかもしれません。
米はイタリア語で「リーゾriso」。諸説がありますが、もともと薬として南イタリアに入ってきたとされています。穀類として本格的な栽培が始まったのは16世紀頃だと言われています。その頃には、珍しい食べ物として貴族が食べるお菓子用の材料として使われていたようで、ルネッサンス期の宮廷料理に盛んに登場しています。
さて本国イタリアでは代表的米料理のリゾットに使う米は、日本の米とは違い、粘りが少なく、粒の大きさが倍ぐらいある品種、カルナローリ、アルボーリオ、ヴィアローネ・ナーノなどの米が良いとされています。現在、日本で手に入るイタリア米の中には何年か熟成しているものもありますが、これはリゾットにもパスタ同様アル・デンテが好まれるイタリアならではの米事情が関係しています。つまり米は古くなるほど硬化するため、新米が重宝される日本ほど生産年度にこだわりはなく、硬化した古米や古古米の方が好まれることが多いからです。
イタリアには粒の大きい粘り気の少ない米しか生産されていないわけではなく、粒の大きい米は形を生かしたリゾットなどに使い、粒の小さい米はスープやお菓子に使われることが多くなります。このように種類によってイタリアではさまざまな料理やお菓子に米が用いられます。例えば、北イタリアでは欠かせないリゾット。中部や南イタリアではスップリやアランチーノと呼ばれる米のコロッケ、米のオーブン焼きなどの料理が存在します。面白いところでは、日本人にはあまり馴染みはありませんが、ゆでた米をドレッシングで和えた米のサラダや、米のケーキ「トルタ・ディ・リーゾ」などがあります。その他にロンバルディーア、トスカーナ、シチリアなどの各州に米のお菓子が存在しています。色々と調べていくとお米を使ってコース料理ができしまうぐらい前菜からお菓子までたくさんのメニューがありました。
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今回は「きのこのリゾット」の作り方を紹介します。リゾット言えばやはり難しいのが「アル・デンテ」に仕上げるところでしょう。目指す米の状態は、芯は残っていないがしっかりとした弾力があること。パスタとはまた少し違った「アル・デンテ」の仕上がりです。指で米を押しつぶしたり、奥歯でしっかりと噛みながら確認すると一番良くわかるのではないでしょうか。
リゾットは基本の作り方さえ知っていれば、野菜の煮込みを加えたり、魚介を加えたりと色々なリゾットに挑戦することもできます。私たち日本人は米を主食とする民族ですが、イタリア人が楽しんでいる「煮る」「茹でる」といった調理法を用いたイタリアの料理やお菓子を通して、普段の「炊く」とはまた違った米料理に触れてみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。 |
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